ニュルで6秒削れる純正オプション、718ケイマンに「マンタイ」…最強のポルシェをさらに強化

ポルシェ 718 ケイマン GT4 RS の「マンタイキット」装着車
ポルシェ 718 ケイマン GT4 RS の「マンタイキット」装着車全 10 枚

ポルシェ(Porsche)は7月13日、高性能クーペ『718ケイマン GT4 RS』に純正オプションとして、「マンタイキット」を欧州で設定すると発表した。ドイツ・ニュルブルクリンク北コースのラップタイムは7分03秒121で、キット未装着車に対して6.179秒短縮している。


◆ポルシェのモータースポーツパートナー「マンタイ」のノウハウ導入

マンタイキットは、「ポルシェ テクイップメント」の純正オプションとして用意される。このキットは、ポルシェのモータースポーツパートナーの「マンタイ」の持つノウハウを導入して開発された。

エアロパーツは、フロントホイールアーチガーニーフラップ、新設計のエアカーテン、ディフューザーを備えたカーボン製アンダーボディで構成されており、フロントのダウンフォースを向上させる。85mmワイドになったリアウイングは、新しいウイングブレードと大型のエンドプレートを備えており、リアアクスルのダウンフォースを増加させる。角度は4段階に調整が可能だ。リアのエンジンカバーは、カーボン織物仕上げとして強化されている。

リアホイールのエアロディスクもCFRP製。リア周りの乱流を低減させる効果を発揮する。サーキットでリアウイングを「パフォーマンス」に設定すると、200km/h走行時のダウンフォースは89kgから169kgに増加する。

サスペンションはスプリングレートを変更した。スプリングストラットは4段階に調整可能で、伸び側と縮み側の調整も工具なしで行うことができる。フロントサスペンションのスプリングレートは20%アップ。スチール製ブレーキラインもセットされている。

ポルシェ 718 ケイマン GT4 RS の「マンタイキット」装着車ポルシェ 718 ケイマン GT4 RS の「マンタイキット」装着車

◆自然吸気のフラット6は最大出力500ps

718ケイマンGT4 RSは、『718ケイマンGT4』をベースにさらなるパフォーマンスを追求した「718」ファミリーの頂点に立つモデルだ。もともと、ポルシェの「RS」とは、ドイツ語でレーシング・スポーツを意味する「Renn Sport(レン・シュポルト)」の頭文字に由来する。「718」ファミリーにRSが設定されたのは、初めてとなる

718ケイマンGT4 RSは、『911 GT3カップ』や『911 GT3』譲りの自然吸気4.0リットル水平対向6気筒ガソリンエンジンをミッドシップに搭載する。最大出力は『718ケイマンGT4』を80ps上回る500ps、最大トルクは2kgmプラスの45.9kgmを発生する。

また、CFRP(カーボンファイバー強化樹脂)製のボンネットやフロントフェンダー、軽量なカーペット、断熱材の削減などで、軽量化を追求した。車両重量は718ケイマンGT4のPDK仕様車より35kg軽い1415kgで、パワーウエイトレシオは2.83kg/psとした。専用ギアレシオのPDKとの組み合わせにより、0~100km/h加速は718ケイマンGT4のPDK仕様車を0.5秒短縮する3.4秒、最高速は13km/hプラスの315km/hに到達する。

ポルシェ 718 ケイマン GT4 RS の「マンタイキット」装着車ポルシェ 718 ケイマン GT4 RS の「マンタイキット」装着車

◆ベース車両よりもダウンフォースは約25%増し

運転席側と助手席側ウインドウの後方には、プロセスエアインテークを装備した。これは、吸気の流れを改善しながら、乗員の耳のすぐ横でスリリングなインテークサウンドを生み出すものだ。リアホイール前部の特徴的なエアインテークも維持され、エンジンの冷却に利用される。

718ケイマンに比べて30mm低い車高、フロントホイールアーチの目立つベント、空力的に最適化されたアンダーボディパネル、マルチ調節式フロントディフューザー、新しいフローアラウンドサイドブレード付フロントスポイラーリップを組み合わせ、718ケイマンGT4よりも約25%(パフォーマンスモード使用時)大きなダウンフォースを発生する。

また、ボールジョイントがシャシーをボディにしっかりと固定。より正確で、ダイレクトなハンドリングを追求した、としている。

《森脇稔》

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