サブウーファーの「インピーダンス」と「SVC」「DVC」って、何?…キーワードから読み解くカーオーディオ

「2Ω、DVC」タイプの「ユニットサブウーファー」(DLS・RCS10.D2)。
「2Ω、DVC」タイプの「ユニットサブウーファー」(DLS・RCS10.D2)。全 3 枚

カーオーディオシステムのバージョンアップに興味を持ち調べてみると、専門用語を多々目にする。そしてそれらの存在が、ビギナーを困惑させることとなる…。当連載は、その払拭を目指して展開している。今回も「サブウーファー」に関連した用語の意味を解説していく。

◆「スピーカー」は製品ごとで「抵抗値」が異なる!?

現在は、「サブウーファーユニット」が単独で販売されている「ユニットサブウーファー」に関連した用語について説明している。今回は、「ユニットサブウーファー」のカタログスペックの中から、「インピーダンス」と「SVC」「DVC」にスポットを当てる。

まずは、「インピーダンス」について説明しよう。「インピーダンス」とはすなわち「抵抗値」だ。スピーカーはホーム用もカー用も、すべて製品ごとで「抵抗値」が決まっている。ちなみにホーム用のスピーカーは「8Ω(オーム)」であることが多く、カー用のスピーカーは「4Ω」がスタンダードだ。

しかしながら一部「2Ω」とか「3Ω」の製品もある。なお抵抗値が小さいとパワーアンプから送られるパワーがより多く入るので、よりパワフルにスピーカーを駆動できる。しかしパワーアンプにはより大きな負担がかかる。なので「インピーダンス」の値が小さいスピーカーを鳴らそうとする場合には、パワーアンプがその「インビーダンス」に対応しているかどうかを確認する必要がある。

「2Ω、DVC」タイプの「ユニットサブウーファー」(DLS・RCS10.D2)。「2Ω、DVC」タイプの「ユニットサブウーファー」(DLS・RCS10.D2)。

◆「ユニットサブウーファー」には「インピーダンス」違いがさまざまある!?

で、「ユニットサブウーファー」は、フロントスピーカー以上に「インピーダンス」違いがさまざまある。なぜならば、パワフルに鳴らしたいというニーズがあるからだ。「ユニットサブウーファー」をパワフルに鳴らしたいと考えるとき、「インピーダンス」の低いモデルはアドバンテージを発揮する。より多くのパワーをかけて鳴らせるようになるからだ。

ちなみにそういったニーズは北米で根強くある。ゆえに北米のカーオーディオブランドは、パワフルに鳴らせる「インピーダンス」の低い「ユニットサブウーファー」を豊富にラインナップさせている。

またパワフルに鳴らそうとするときには、「ユニットサブウーファー」を多発搭載したくなる。そしてその際にも、「インピーダンス」が異なるモデルがあると便利に使える。

なぜならスピーカーは多発搭載する際には、「直列接続」にするか「並列接続」にするかで、回路全体の「インピーダンス」が変化する。ゆえに「インピーダンス」が異なる製品がさまざまあると、多発搭載しようとするときに全体の「インピーダンス」を調整しやすくなるのだ。

「2Ω、DVC」タイプの「ユニットサブウーファー」(DLS・RCS10.D2)。「2Ω、DVC」タイプの「ユニットサブウーファー」(DLS・RCS10.D2)。

◆多発搭載を考える場合には、「インピーダンス」と「ボイスコイル」タイプにも要注目!

具体的に説明すると以下のとおりだ。スピーカーは「直列接続」すると全体の「インピーダンス」は大きくなる。例えば「4Ω」のスピーカー2つを「直列接続」すると全体の「インピーダンス」は8Ωになる。逆に「並列接続」すると全体の「インピーダンス」は半分になる。4Ωのスピーカー2つを「並列接続」すると全体の「インピーダンス」は2Ωになるのだ。

そして「SVC」とは「シングル・ボイス・コイル」の、「DVC」は「ダブル・ボイス・イル」の略称だ。つまり前者は磁気回路が1つのもののことを指し、後者は磁気回路が2つ備わっているもののことを指す。ちなみに通常は磁気回路は1つあれば良いわけだが、よりパワフルに鳴らしたい場合には、磁気回路が2つ備わっているモデルの方が有利だ。

なおこのように「ボイスコイル」のタイプ違いがあるのも、接続の都合に合わせて使いやすいモデルを選べるようにするためという側面もある。というのも「DVC」のモデルはそれを「直列接続」すれば「インピーダンス」を上げられ「並列接続」すれば「インピーダンス」を下げられる。

というわけで「ユニットサブウーファー」を単発で使う場合には、「インピーダンス」は4Ωで「ボイスコイル」は「SVC」であれば良いのだが、「複数発鳴らしたい場合には、何発鳴らしたいか、そしてそれらを何Ωでドライブしたいかを考えた上で、それをするのに都合の良い「インピーダンス」と「ボイスコイルタイプ」を備えたモデルを選ぼう。

今回は以上だ。次回も「サブウーファー」に関連した用語の解説を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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