それまでの国産車とはひと味違った初代ホンダ『アコード』のコンセプト【懐かしのカーカタログ】

ホンダ・アコードサルーン(初代)
ホンダ・アコードサルーン(初代)全 11 枚

初代『アコード』の登場は1976年5月のこと。まずハッチバックが姿を現し、FF・2ボックスのそれまでの国産車とはひと味違った、スポーティでクラスレスなコンセプトで注目を集めた。その翌年の1977年10月に“サルーン”の呼称で追加されたのが4ドアセダンだった。

初代ホンダ『アコード』当時のカタログ

小型乗用車の4ドアセダンとしては『ホンダ1300/145(1969~1973年)』以来のモデルで、一説には販売の現場の声に応えたものといわれ、先進性を売りとしていたアコードに、あえて追加されたオーソドックスなノッチバックセダンでもあった。

もちろんベースはハッチバックで、2380mmのホイールベースはサルーンも共通だった。ただ全長はサルーンのほうが220mm長く、ややホイールベースが短いクルマに見えなくもなかった。そのことに目をつむれば、スタイリング自体は後々のアコード・セダンに繋がる上品なもので、カタログの表紙でも“Quality & Elegance”と謳われていた。1978年のマイナーチェンジではフード中央部を盛り上げ、フロントグリル部をわずかだけ天地に大きくしている。

インテリアはハッチバック同様のトレイ状のインパネを(当初は)採用。室内長のカタログ数値は、ハッチバックの1745mmに対し1785mm。上級グレード(EX-L)ではワインレッドの全面ジャージの表皮が採用された。4ドアということでリモコン式のリヤドアロックを備えたが、これは何とワイヤーを用いたメカニカルな(素朴な?)構造のものだった。

搭載エンジンは当時のCVCCで、当初の1.6リットル(82ps/12.3kg-m)から、1978年9月のマイナーチェンジで1.8リットル(90ps/13.5kg-m、ホンダマチック車は85ps)とし、当時の53年排出ガス規制に適合させていた。最終型ではヘッドランプが角型4灯となり、インパネが専用デザイン化。OD付き3速のホンダマチックが与えられるなどした。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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