テスラ、EVの充電設備でも北米を制す勢い[新聞ウォッチ]

テスラの充電器(米ニュージャージー州)
テスラの充電器(米ニュージャージー州)全 2 枚

中国に次ぐ世界第2位の巨大自動車市場の米国では、全米自動車労働組合(UAW)が、ゼネラルモーターズ(GM)などのビッグスリーに対し、ストライキに突入。労使交渉で進展があったされるフォードモーターの一部の工場を除いて、ストが長期化する可能性が高まっているようだ。

UAWによるストの拡大も気がかりだが、一方で電気自動車(EV)の充電方式を巡り、北米市場ではメーカー間の主導権をめぐって火花を散らしているという。

◆フォードモーター、メルセデスベンツ、ニッサン、ホンダなど参加

きょうの読売が経済面に「EV充電テスラ式優勢」とのタイトルで報じている。それによると、米国市場では、今春以降、米フォードモーターが5月にテスラ方式の採用を表明。続いて6月にGM、7月には独メルセデスベンツ、そして日本勢からも日産自動車やホンダなどが続々と同調する動きが加速し、「テスラが推進する充電方式が北米を制する勢いだ」と報じている。

その大きな理由としては、テスラがすでに展開するEV向け急速充電器の数で、全米の急速充電器約3万基のうちテスラが開発した「NACS」と呼ばれる方式は過半数の約1万7000基。米国方式の「CCS1」は30%、日本方式の「CHAdeMO(チャデモ)」はわずか15%。「ガソリン車と異なり充電が課題のEVでは、給電拠点の多さが強みになる」とも伝えている。

◆データをビジネス化する可能性

ただ、「テスラ方式を採用する企業でも、テスラの充電網を通じた支配力の高まりに警戒感がある」とも指摘。充電器を介し、各車の走行状況や充電履歴といったデータを収集できるため、EVは「データの宝庫」ともみられており「データをビジネス化できれば、テスラ一強の構図が鮮明になりかねない」との経済産業省幹部のコメントも取り上げている。

余談だが、日本方式のチャデモの名前の由来は「充電時間にはお茶でも飲みながら~」などと、余裕をもって運転を楽しんでほしいという意味で名付けられたのは承知のとおり。しかし、後発組のテスラなどとの激しい主導権争いの中、まるで「お茶を濁す」程度の情けない充電設備の数ではシャレにもならない。

2023年9月25日付

●半導体の国内生産支援、経済対策、燃料高負担軽減も、骨格案、政府、来月取りまとめ(読売・1面)

●EV充電テスラ式優勢、北米、他社、データ収集警戒(読売・4面)

F1日本グランプリ、フェルスタッペン19秒差圧勝(朝日・11面)

●ヤマト3万人委託終了、配達の個人事業主、来年度末までに(毎日・3面)

●EVの風土鍋作れず、リチウム争奪、中国、原料囲い込み(毎日・24面)

●宇都宮LRT好発進、開業1カ月週末の乗客予想の4倍超えも、接触3件、まだ慣れぬドライバー側事故課題(東京・22面)

●半導体材料の国内新工場、三菱ケミカル、TSMC進出で商機(日経・1面)

●消えぬ円安圧力、強まる介入警戒、市場「150円台」を注視、日米金利差、10カ月ぶり高水準(日経・3面)

●F1日本GP入場者1割増、ホンダ、26年に復帰(日経・7面)

《福田俊之》

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