[システム構築学大全]サブウーファーの“多発使い”で、質良くorパワフルにドライブ!

「サブウーファー」が“2発使い”されたオーディオカーの一例(製作ショップ:ルロワ<愛知県>)。
「サブウーファー」が“2発使い”されたオーディオカーの一例(製作ショップ:ルロワ<愛知県>)。全 7 枚

カーオーディオでは、オーナーの考え方次第でさまざまな「システム構築法」を実践できる。当特集では、それらの1つ1つについて楽しみ方のポイントを解説してきた。今回はその最終回として、「サブウーファーの多発使い」をテーマに据えてお贈りする。

◆カーオーディオでは「サブウーファー」は、「単発使い」がスタンダード!?

車内では、超低音が不足しがちだ。その最たる理由は、「ドアに取り付けられるスピーカーでは口径的な問題で超低音をスムーズに鳴らし難いから」だ。スピーカーは、振動板の口径が大きくなればなるほど低音再生が得意になる。しかしクルマのドアに取り付けられるスピーカーはせいぜい17cmクラスが最大で、そのサイズではもっとも低い帯域の信号をスムーズに音に変えられないのだ。なので、それよりも口径の大きなスピーカーユニットである「サブウーファー」が用いられ、超低音の再生はそれに託されることとなる場合が多い。

で、その「サブウーファー」は「単発使い」されることが多い。音源には超低音もステレオ録音されているので、本来ならば「サブウーファー」も右ch用と左ch用とで1発ずつが用意されてしかるべきだが、超低音は波長が長いがゆえに出どころが分かりにくい。なので車内の狭い空間では超低音をステレオで鳴らしてもその効果が発揮されにくい。

ならば「モノラル」で鳴らした方が効率が良い。結果、カーオーディオでは「サブウーファー」は「単発使い」されることが多くなっている。

「サブウーファー」が“2発使い”されたオーディオカーの一例(製作ショップ:ルロワ<愛知県>)。「サブウーファー」が“2発使い”されたオーディオカーの一例(製作ショップ:ルロワ<愛知県>)。

◆こだわるなら敢えての「ステレオ使い」もアリ! しかしハードルは高い…。

とはいえ超低音もステレオで録音されていることもまた事実なので、高音質が追求される場合には「サブウーファー」も敢えての「ステレオ使い」が実行されることも少なくない。

ただし、ハードルが上がることもまた事実だ。まず「サブウーファーユニット」自体が2発必要となり、「サブウーファーボックス」も2ついる。1つでもトランクで場所を取るのにそれを2つ積むとなると、インストール的にも難易度が高まる。そして「パワーアンプ」の出力も多く必要となる。

ところで、「パワーアンプ」の使い方はさまざまある。まず、フロントスピーカーを鳴らすのと同じハイエンドフルレンジモデルがおごられることがある。で、その場合にはその2chずつにてブリッジ接続され鳴らされることも多い。または「サブウーファー」用のモノラルパワーアンプが2台用意されることもある。

なお、そのどちらが良いのかは判断が分かれるところだ。ちなみにフロントスピーカーを鳴らすのと同様のハイエンドフルレンジモデルを使った方が全体のサウンドの統一感を出しやすくなる。逆に、ドライブ力にこだわるのなら「サブウーファー」用のハイパワーモデルを使った方が良いだろう。

「サブウーファー」が“2発使い”されたオーディオカーの一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。「サブウーファー」が“2発使い”されたオーディオカーの一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。

◆迫力の超低音を楽しむべく、「多発使い」が実行されることもある!

また超低音のパワー感を最大限楽しもうとする場合にも、「サブウーファー」の「多発使い」が実行される。例えば後部座席スペースをつぶしてルーフに達するほどの巨大な「サブウーファーボックス」を組み、それに大口径モデルを2発、あるいは4発搭載し超低音を車内に満たす、というようなスタイルが実践されることもある。

なおその場合には、「サブウーファー」に低インピーダンスモデルが使われることも多い。インピーダンスとは抵抗値のことを指すが、抵抗値が低い「サブウーファー」には、より多くの電気が流れる。結果、一層パワフルなサウンドが楽しめる。

ただし、それに組み合わせる「パワーアンプ」は低インピーダンスに対応している必要がある。そして2発とか4発を鳴らすこととなるので、ハイパワーが求められることとなる。

例えば、4発の「サブウーファー」を鳴らすときでもそのすべてが1台の「パワーアンプ」にて鳴らされる。並列接続と直列接続がケースバイケースで使い分けられ全体の抵抗値がコントロールされた上で、システム設計が実行される。

このようにカーオーディオでは、さまざまなシステム構築法が存在する。そして、どんなシステムを組むのかを思案するところも楽しみどころの1つとなる。あれこれ思いをはせながら、自分だけのシステムを作りをエンジョイしよう。

《太田祥三》

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