ランチアのアイコン:ラリー037、サンレモの勝利から40年

ランチア・ラリー037グループB(1982-83年)
ランチア・ラリー037グループB(1982-83年)全 15 枚

1983年10月7日はランチアにとって記念すべき日であり、レースファンの心に刻まれた日付である。ランチアラリー037』がサンレモラリーで勝利を収め、シーズンの2レースを残して世界ラリー選手権でコンストラクターズのタイトルを獲得した。

【画像全15枚】

このレースで最終的に上位5位までに4台のランチアが入り、マークク・アレン、ヴァルター・ロール、アッティリオ・ベッテガ、そして若きミキ・ビアシオンがラリー037のステアリングを握って入賞を果たした。ランチアにとって史上5度目のコンストラクターズ選手権だった。

サンレモでの勝利はラリー037の黄金時代の幕開けとなった。コンストラクターズタイトルに加え、ドライバーズタイトルではロールが2位を獲得し、ヨーロッパ選手権とイタリア選手権ではミキ・ビアシオンが優勝した。

ラリー037の公式デビューは1982年、第59回トリノモーターショーで公道仕様が発表された。エンジンの最高出力205ps、ツインボディのキャブレター、スーパーチャージャーによる過給など、ラリーへの参戦を見越した設計が施されていた。グループBレーシングカーの型式認定を得るため、合計200台が生産された。四輪駆動だったライバルとは異なり、ラリー037は後輪駆動だったことは特筆される。

「037」という開発コードで知られるこのランチアは、細部に至るまでピュアなスポーツカーだった。ラリー037の開発ベースとなった車があり、それがミッドエンジン・クーペの『ベータ・モンテカルロ』だ。ベータ・モンテカルロを出発点に、アグレッシブなスタイリング、暴力的かつ効率的なキャラクターを発展させた。

フロントもリアも「機能的」で大胆なフォルム、そしてラリーのアイコンとなった角ばった「聖杯」。ミニマルで合理的なインテリアはコンペティションの真髄であり、印象的なリアスポイラーを含むピラーや、テールの空力“ひれ”はパフォーマンスをさらに高めた。

独自の混合構造のボディは、アグレッシブかつエレガントなスタイリングで、同時に大きな空力荷重を地面に向かって押し出すことができた。グラスファイバーで補強されたポリエステル製樹脂の、エンジンとトランクを覆う2つのボンネットは軽量で、それぞれ取り外すことができた。

ランチア・ラリー037は、ブランドのアイコニックな車のひとつとなった。100%電気自動車のコンセプトカーであるランチア『Pu+Ra HPE』コンセプトにも、ラリー037のエッセンスを感じられる。

《高木啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ボッシュがなぜ「しろくまくん」を買収したのか? “熱とAI”が変える、SDV時代の勝算
  2. クスリのアオキホールディングス、「cars WELLNESS」導入…従業員と社用車向けに
  3. トヨタが『カローラクロス・ピックアップ』開発中か? 日本市場でヒットの予感
  4. ホンダ『N-BOX』改良新型、「CUSTOM」が表情一新…6月22日から先行予約
  5. トヨタ2000GT、1/18スケールモデル予約開始…実車3Dスキャンでボディ形状を再現
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「全固体なら勝てる」は本当か、LFP時代に問われる日本の電池戦略…矢野経済研究所 エネルギー&モビリティグループ 部長 田中善章氏 [インタビュー]
  2. 【トヨタ RAV4 PHEV 新型試乗】PHEVはEVよりも高級になりうる、ということを証明した…南陽一浩
  3. マツダの車載CO2回収装置、走行中の貯蔵に初成功…回収量は前回比9.6倍の804gに
  4. 「もはや地図事業だけではないHERE」…人とくるまのテクノロジー展2026初出展の背景を枝代表に訊ねる
  5. タイヤは「管理する時代」へ…ダンロップが提案するフリート運用の新常識
ランキングをもっと見る