【ノートオーラNISMO vs スイフトスポーツ】日本が誇るホットハッチ2台を徹底比較!

日産 ノートオーラNISMO(左) vs スズキ スイフトスポーツ(右)
日産 ノートオーラNISMO(左) vs スズキ スイフトスポーツ(右)全 32 枚

手頃な価格で走りも楽しみたい、そんな欲張りな人におすすめの2台を比較。今回比較するのは、日本が誇るコンパクト・ホットハッチの日産ノートオーラNISMO』とスズキスイフトスポーツ』だ。

◆比較する2車種のプロフィール

高性能なスポーツモデルは、当然ながら価格が高い。そこで大量に販売される低価格のコンパクトカーをベースに、パワーユニットや足まわりを変更して、スポーツモデルに仕上げる手法が生み出された。この方法であれば、比較的求めやすい価格で走りの楽しいクルマを開発できる。これまでも数々のホットなコンパクトカーが生み出されてきたが、今新車で買えるモデルの中でも今回ピックアップしたいのが、ノートオーラNISMOとスイフトスポーツの2台だ。

◆外観デザイン&ボディサイズ比較

ノートオーラNISMO:全長4125mm、全幅1735mm、全高1505mmノートオーラNISMO:全長4125mm、全幅1735mm、全高1505mm
スイフトスポーツ:全長3890mm、全幅1735mm、全高1500mmスイフトスポーツ:全長3890mm、全幅1735mm、全高1500mm

両車とも外観がカッコイイ。ノートオーラNISMOのボディサイズは、全長が4125mm、全幅は1735mm、全高は1505mmで、ベースのノートオーラに比べると80mm長く20mm低い。

スイフトスポーツは3890mm・1735mm・1500mmで、ベースの「スイフトRS」に比べると、35mm長く40mmワイドだ。ベース車のスイフトRSは5ナンバー車だが、スイフトスポーツは、ボディの拡幅によって3ナンバー車となった。

それでも両車を比べると、全長の違いにより、ノートオーラNISMOの外観は伸びやかだ。スイフトスポーツには引き締まり感が伴う。

◆インテリア&居住性比較

ノートオーラNISMOには12.3インチのディスプレイが付くノートオーラNISMOには12.3インチのディスプレイが付くスイスポのインパネはシンプルだが、分かりやすい作りだスイスポのインパネはシンプルだが、分かりやすい作りだ

内装の質は両車とも満足できる。特にノートオーラNISMOは、12.3インチのNISMO専用アドバンスドドライブアシストディスプレイを装着して、パワーメーターやエネルギーフローメーターなどを多彩に表示できる。

スイフトスポーツに目立った特徴はないが、インパネはドライバーを囲むようにデザインされて車両との一体感が伴う。

日産 ノートオーラNISMO日産 ノートオーラNISMOスイスポの後部座席は4人乗車だと少し狭めスイスポの後部座席は4人乗車だと少し狭め

後席の居住性は、全長の長いノートオーラNISMOに余裕がある。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握り拳2つ分だ。スイフトスポーツは握り拳1つ半だから、4名乗車にはノートオーラNISMOが適する。

◆荷室などの使い勝手

日産 ノートオーラNISMO日産 ノートオーラNISMOスズキ スイフトスポーツスズキ スイフトスポーツ

荷室長は、全長の長いノートオーラNISMOに若干の余裕があるが、スイフトスポーツでも不満はない。後席の背もたれを前側に倒すと、十分な量の荷物を積める。

収納設備やカップホルダーも、両車ともに完備され、日常的な使い勝手を向上させている。スイフトスポーツで注意したいのは、後席側のドアノブだ。高い位置に、縦方向に装着したから、背の低い同乗者は開閉操作がしにくく感じる場合がある。

◆運転のしやすさ比較

日産 ノートオーラNISMO日産 ノートオーラNISMOスズキ スイフトスポーツスズキ スイフトスポーツ

全長はスイフトスポーツが200mm以上短い。最小回転半径もスイフトスポーツが5.1m、ノートオーラNISMOは5.2mだから、小回りの利きも優れている。

ただしスイフトスポーツは、外観を力強く見せるため、後席側のサイドウインドーを小さくデザインした。そのために斜め後方の視界が良くない。購入時には、縦列駐車などを試したい。

◆走行性能/燃費/乗り心地比較

ノートオーラNISMO:EM47+HR12DE(e-POWER)ノートオーラNISMO:EM47+HR12DE(e-POWER)スイフトスポーツ:K14Cスイフトスポーツ:K14C

ノートオーラNISMOは、ハイブリッドのe-POWERのみを搭載する。直列3気筒1.2リットルエンジンが発電を行い、駆動はモーターが担当する。ノートのe-POWERよりも動力性能が高く、特に実用域の駆動力を向上させた。ノーマルタイプのガソリンエンジンに当てはめると、2.8~3リットルの排気量に相当する性能を発揮する。ノイズも小さく、快適性も優れている。

スイフトスポーツは、直列4気筒1.4リットルガソリンターボを搭載する。動力性能をノーマルエンジンに当てはめると、2~2.3リットルに相当する。

動力性能に余裕があるのはノートオーラNISMOだが、スイフトスポーツはボディが軽い。6速MTは970kgだから、ノートオーラNISMOの1270kgに比べると300kg下まわる。そのために運転感覚が軽快だ。特に峠道では、機敏に良く曲がって走行安定性も優れている。

WLTCモード燃費は、ノートオーラNISMOはe-POWERとあって、23.3km/リットルと優れている。スイフトスポーツも、電動機能を搭載しない1.4リットルターボながら、6速MTが17.6km/リットルと良好だ。

乗り心地は両車ともに硬めだが、粗さは抑えた。スイフトスポーツはボディが軽い割に、乗り心地を快適に仕上げた。ノートオーラNISMOには重厚感がある。

◆おすすめユーザー&買い得グレード

重厚感のあるノートオーラNISMOは、長時間の高速道路走行に最適重厚感のあるノートオーラNISMOは、長時間の高速道路走行に最適

ノートオーラNISMOは、運転感覚がスポーティで後席も広く、幅広いユーザーに適する。動力性能に余裕があって直進安定性も優れているため、高速道路を長時間にわたって走行する用途にも合っている。

価格が割安なことも特徴だ。298万1000円で、ノートオーラGに比べると、28万1600円の上乗せに抑えた。この金額で、ノートオーラNISMOの外観には、エアロパーツと専用のタイヤが装着される。内装もスポーティにアレンジされ、足まわりも専用の設定だから走行安定性も向上した。

さらにドライブモードには、スポーティな運転に適したNISMOモードを採用している。これだけ幅広い機能やデザインに手を加えながら、価格アップは約28万円だから、ノートオーラNISMOはスポーティであると同時に買い得グレードになる。

軽いボディのスイフトスポーツは、峠道やワインディング走行が面白いだろう軽いボディのスイフトスポーツは、峠道やワインディング走行が面白いだろう

スイフトスポーツは、軽いボディを生かした軽快な運転感覚が持ち味で、峠道などをスポーティに走りたいユーザーに適する。特にボディが軽い往年のスポーティカーが好きだったベテランドライバーにはピッタリだ。運転すると懐かしい気分になると思う。

価格は割安で、6速MTは202万8400円だ。1.2リットルのノーマルエンジンを搭載するRSの5速MTは179万3000円だから、価格アップを23万5400円に抑えた。スイフトスポーツも買い得度が強く、その販売比率は、スイフト全体の約50%に達する。

《渡辺陽一郎》

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎|カーライフ・ジャーナリスト 1961年に生まれ、1985年に自動車雑誌を扱う出版社に入社。編集者として購入ガイド誌、4WD誌、キャンピングカー誌などを手掛け、10年ほど編集長を務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けている。

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