団子運転解消へ、東京メトロ東西線が運休…駅大改良 5月11-12日

東京メトロ東西線・東陽町~西葛西駅間を運休へ
東京メトロ東西線・東陽町~西葛西駅間を運休へ全 4 枚

東京地下鉄東京メトロ)では、東西線・南砂町駅の線路とホームの増設へ向けた線路切替工事を実施するため、2024年5月11日始発~12日終電の2日間、東西線東陽町~西葛西駅間を終日運休する。輸送力増強を図るための工事とそれに伴う運休だ。

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工事期間中、東西線は南砂町駅を含む東陽町~西葛西駅間で終日運休し、両側で折り返し運転を実施する。なお折り返し運転の区間は、東陽町駅から大手町・中野方面、西葛西~葛西駅間、葛西駅から浦安・西船橋方面の3区間となり、西葛西~浦安以遠は、葛西駅での乗り換えが発生する。

悪天候等の事情により、線路切替工事を実施できない場合は、2024年5月25~26日に延期する。

南砂町駅改良工事は、東西線の輸送力増強を図るため、南砂町駅の線路とホームを増設するもの。工事最終完成までに、合計3回の線路切替工事を予定している。増設後は、同一方向の列車がホームの両側で交互に発着することが可能となり、列車遅延の防止やホーム上の安全性向上が期待される。

現状の南砂町駅は、ホームが1面でその両側に線路があり、一つの線路に一方向の列車が発着する1面2線のレイアウトだ。2022年度の一日平均乗降人員は5万4476人で、東京メトロ130駅中61位。ちなみに千代田線・町屋駅が60位、日比谷線・広尾駅が62位だ。

南砂町駅の利用者は増えており、とくに朝ラッシュ時間帯に中野方面行きの列車の乗降に時間がかかり、遅延が発生するようになった。前の列車が発車しないと次の列車はホームに入れないので、次の列車にも遅延が発生する。そして運転時間が伸びて輸送力が減り、いっそう混雑することになる。このように、複数の列車の前後間隔が詰まってしまうことを団子運転と呼んだりする。

ホームと線路を増設すると、前の列車が停車中でも次の列車がホームに進入でき、停車時間と輸送力を同時に確保できるわけだ。JR中央線の東京地区上り列車ですでに実施されている手法だ。

第1回線路切替工事では、中野方面行の線路を南側に切替え、増設したホームの供用を開始する。この後は、西船橋方面行き線路を現中野方面行の線路に切替え、現ホームの使用を停止。その次に現ホームを拡幅し、西船橋方面行き線路を再度切り替え、2面3線レイアウトになる。

南砂町駅改良工事について「平成23年度(第8期)事業計画」で明らかにされ、2011年度から関係機関との調整、用地協議を開始した。当時の資料で完成時期は2018年度以降、総投資額は約300億円、2014年当時の資料で完成時期は2020年度、総投資額は約340億円となっていたが、コロナ禍を経て、最近はいずれも明らかにされていない。

《高木啓》

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