[外部パワーアンプで良音を満喫]1ランク上のサウンドをゲットできるスペシャルな“接続法”がある!?

「4chパワーアンプ」の一例(DLS・S-4)。
「4chパワーアンプ」の一例(DLS・S-4)。全 4 枚

外部パワーアンプ」を導入すると、それまで聴いていたものとは別次元のサウンドを手にできる。当特集ではそうである理由から選び方、そして使い方までを説明している。今回は、ライトなシステムにて実践できるスペシャルな鳴らし方を紹介する。

◆とある“接続法”を実行すると、使用ユニットはそのままなのに音が良くなる!

前回は、ベーシックな「外部パワーアンプ」の使い方を紹介した。一般的なメインユニットにて市販スピーカーを鳴らしていたところから「4ch外部パワーアンプ」を導入しその2ch分の出力を使ってフロントスピーカーを鳴らすと、スピーカーはそのままなのに聴こえてくるサウンドクオリティが明らかに1ランクアップする。

ところで実は、スピーカーも「外部パワーアンプ」もそのままで、しかしサウンドクオリティをもう1ランク上げられるスペシャルな「外部パワーアンプ」の使い方が存在している。今回はそれについて説明する。

そのスペシャルな使い方とは、「バイアンプ接続」だ。

ただしこれを実践するには、交換したスピーカーを鳴らすのに使っている「パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)」が、「バイアンプ接続」に対応している必要がある。

なのでこの鳴らし方に興味があれば、愛機の「パッシブ」を確認してみよう(分からなかったらショップに訊いてみよう)。そしてもしも対応していたらしめたものだ。そうであれば、これにトライしない手はない。

「バイアンプ接続」に対応したパッシブクロスオーバーネットワークを付属するスピーカーの一例(ロックフォード フォズゲート・T2652-S)。「バイアンプ接続」に対応したパッシブクロスオーバーネットワークを付属するスピーカーの一例(ロックフォード フォズゲート・T2652-S)。

◆「バイアンプ接続」に対応した「パッシブ」には、入力端子が“2系統”備わる!

では、通常の「パッシブ」と「バイアンプ接続」に対応している「パッシブ」とでは何が違うのかを説明しよう。通常の「パッシブ」は入力端子が1系統しかない。「パワーアンプ」の1ch分の信号を入力すればこと足りるからだ。そして「パッシブ」内にて信号が高音と中低音とに分割され、高音はツイーターへ、中低音はミッドウーファーへと出力される。

対して「バイアンプ接続」に対応した「パッシブ」では、入力端子が2系統備わっている。通常はその1系統の入力端子しか使わないが、「バイアンプ接続」に切り替えればその2系統の入力端子が使えるようになる。

で、入力端子が2系統あると、ツイーターとミッドウーファーのそれぞれに個別に信号を入力できるようになる。

かくして「バイアンプ接続」では、以下のような配線方法が実行される。「4chパワーアンプ」のAch出力を右の「パッシブ」のツイーター用の入力端子に、Bch出力を左の「パッシブ」のツイーター用の入力端子に、Cch出力を右の「パッシブ」のミッドウーファー用の入力端子に、Dch出力を左の「パッシブ」のミッドウーファー用の入力端子にそれぞれ接続することとなる。

「バイアンプ接続」の接続図。「バイアンプ接続」の接続図。

◆「バイアンプ接続」を実行すると、スピーカーの“駆動力”が上がる!

というわけで1つの「パッシブ」には2ch分の出力が入力されるので、「パッシブ」内では信号の分割作業は行われなくなる。でも、ツイーター用の信号の「ローカット(中低音を切り落とすこと)」とミッドウーファー用の信号の「ハイカット(高音を切り落とすこと)」は行われる。つまり「パッシブ」は、信号を「分割するためのメカ」から「信号の要らない部分をそぎ落とすフィルター」へと役割が変わる。

さて、このような接続方法を実践すると、なぜに音が良くなるのかというと……。

答は単純明快だ。「1つ1つのスピーカーユニットの駆動力が上がるから」だ。それまでは「4chパワーアンプ」の2ch分の出力にてフロント2ウェイの計4スピーカーを鳴らしていたわけだが、「バイアンプ接続」では「4chパワーアンプ」の4ch分の出力のすべてを使い切ることになる。より手厚くフロント2ウェイを鳴らせるようになる、というわけだ。

ところで、愛用のスピーカーの「パッシブ」が「バイアンプ接続」に対応していなかったら、「バイアンプ接続」に対応した「パッシブ」をワンオフしても良い。なので興味があれば、スピーカー交換を依頼した「カーオーディオ・プロショップ」に相談してみよう。部品代に1万円も投じれば、そこそこ高性能な「パッシブ」を完成できる。

今回は以上だ。次回以降も「外部パワーアンプ」の使い方についての説明を続行する。お楽しみに。

《太田祥三》

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