昭和40年、在りし日の東京モーターショーに思いを馳せる【懐かしのカーカタログ】

昭和40年に開催された東京モーターショーのパンフレット(トヨタ)
昭和40年に開催された東京モーターショーのパンフレット(トヨタ)全 11 枚

「ジャパンモビリティショー」に生まれ変わった「東京モーターショー」。そこでこの節目に、昭和、平成と続いた同ショーで配布されたパンフレットを振り返ってみたい。

◆昭和40年の東京モーターショー

第1回自動車ショーの開催は1954年。筆者もさすがに生まれる前のこと(!)だが、日比谷公園の会場では、屋外の土や砂利の上にクルマが展示されていたという。東京・晴海に会場が移されたのは1959年から、東京モーターショーに呼称が変わったのは1964年の第11回からで、この時から輸入車も展示されるようになった。

昭和40年に開催された東京モーターショーのパンフレット(トヨタ)昭和40年に開催された東京モーターショーのパンフレット(トヨタ)

“晴海”は筆者も幼少の時分から親に連れられ(連れて行けとせがんで?)足を運んだ思い出の場所だ。会場で各メーカーが配布しているパンフレットを貰ってくるのは楽しみだった。帰りには集まったパンフレットでズッシリと重たい紙袋を手に、八重洲口行きのバスを待つ長い列に並んだのが懐かしい。

写真はそんな時代のトヨタのパンフレットの一例。ご紹介しているのは、文中の記述、掲載車種の世代から昭和40年(1965年)のものと思われる。「品質と価格で奉仕するトヨタ」の、いかにも質実剛健なタイトルに続き、最初の見開きでは、世界の自動車メーカーのベスト10に入っていることや、国内生産・販売台数ですでに首位であることなどが紹介されている。

昭和40年に開催された東京モーターショーのパンフレット(トヨタ)昭和40年に開催された東京モーターショーのパンフレット(トヨタ)

本編とも言うべき車種の紹介に目を通すと、乗用車では『クラウン』(2代目)、『コロナ』(3代目)、『パブリカ』(初代)のほかに、何と『トヨタスポーツ800』の姿も。近年のトヨタ車のイメージと比べると車種数はぐんと少ない。

が、国産初のV8エンジンを搭載した『クラウンエイト』や、コロナではハードトップ、や5ドアセダン、ベーシックモデルで“日本の国民車”と言われたパブリカには4人乗りのコンバーチブルが設定されているなど、どの車種も個性があり意欲的で、夢のあるバリエーション展開だったことが改めてわかる。

昭和40年に開催された東京モーターショーのパンフレット(トヨタ)昭和40年に開催された東京モーターショーのパンフレット(トヨタ)

そのほか商用車のページでは、クラウン(マスターライン)やコロナ、パブリカのバン、ピックアップなどの姿も。さらに『トヨエース』『ダイナ』『スタウト』といったトラックや初代『ランドクルーザー』なども掲載。この1冊のパンフレットで、当時のトヨタ車のすべてが把握できた。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 真夏のダッシュボードが20度以上低下!? 驚きの遮熱サンシェード新時代[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. いつでもビーチ気分! 夏仕様のSUV『ハバナ』が30台限定で登場、499万円から
  3. スズキ『エブリイ』が災害時は「シェルター」に、軽キャンピングカーの新たな可能性
  4. メルセデスベンツ『CLA』新型、第4世代「MBUX」にセレンスの会話型AI技術搭載
  5. 世界最強の2.0ターボ搭載車に幕、メルセデスAMG『CLA 45 S』最終モデルが登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る