<新連載>[サウンド制御術・実践講座]超基本機能を操作して“低音”を“増強”! その方法を解説

ドアスピーカーの取り付け例(ジャンライン&パートナーズ・デモカー)。
ドアスピーカーの取り付け例(ジャンライン&パートナーズ・デモカー)。全 1 枚

「サウンドチューニング機能」を駆使することでも、カーオーディオシステムの音を良くできる。当連載では、その実践方法を具体的に説明している。今回は、どんなメインユニットにも搭載されている超基本機能にて実現可能な“低音増強法”を紹介していく。

その超基本機能とは、「フェーダー」だ。これは前回の記事にて説明したように、前後の音量バランスを調整するための機能だ。なおそこで説明したとおり、1人でクルマに乗っている場合には「フェーダー」は「10対0でフロント」が正解だ。なぜならば、「ステレオ音源」は音楽が左右の計2chに分けて録音されているので、スピーカーは左右に1つずつあれば良い。これがステレオ再生の原則だ。またコンサート会場でも演奏は前から聴こえてくるのが普通だ。後ろから聴こえてくる必要はないのだ。

ところが……。リアスピーカーをちょっとだけ鳴らすと、低音の増強効果が得られることがある。その操作方法は以下のとおりだ。

まずは「フェーダー」を「10対0でフロント」に振っておき、音楽を聴きながらそこから徐々に後方に下げていく。そうすると確かに低音の量感が増えていく。そしてそのままさらに「フェーダー」を後方に振っていくと、今度は高音も後ろから聴こえてくる。それでは下げすぎだ。

そうなったらまた、「フェーダー」を前側に戻していく。そうするとリアスピーカーから聴こえてきていた高音は聴こえなくなっていき、しかし低音の量感だけは分厚いままをキープする。そしてさらに「フェーダー」を前側に振っていくと、低音の量感が痩せていく。

というわけなので「フェーダー」をゆっくり前後させ、後ろのスピーカーが鳴っている感じはせずに低音の量感だけが増大するポイントを探ろう。これが操作方法だ。

このような効果が現れるメカニズムはざっと以下のとおりだ。高音は真っ直ぐに進もうとする性質が強く、音の出どころも分かりやすい。対して低音は障害物を回り込んで進もうとする性質が強く出どころが分かりにくい。なので「フェーダー」を少しだけ下げると、リアスピーカーから放たれる高音はシートでブロックされて聴こえてこないが、低音だけはシートを回り込んで聴こえてくる。しかも出どころが分かりにくいので、フロントスピーカーの音につられて前から聴こえてきているものと錯覚する。こうして低音の増強効果が果たされる。

ただ、リアスピーカーの装着位置等々の関係で、この効果が上手く得られないこともある。そうであったら「フェーダー」は、「10対0でフロント」に戻そう。

今回は以上だ。次回も超基本的な機能の活用術を紹介する。お楽しみに。

《太田祥三》

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