新品 vs リビルド vs オーバーホール、比べたらどれが一番おトク?~カスタムHOW TO~

(イメージ)
(イメージ)全 8 枚

エンジン内部の消耗部品をリフレッシュして、本来のパワーを取り戻すこと。車種によっては新品交換やリビルドエンジンに交換する手もある!?

走行距離を重ねたクルマで聞かれるのがエンジンオーバーホールだが、その中にも実はいろいろと種類がある。そのオーバーホールの種類と特徴をまとめる。

まず、なぜエンジンオーバーホールが必要になるか。これは走行を重ねることでエンジンの内部が徐々に摩耗していくから。ピストンリングとシリンダーは互いに常に擦れあっていて、いくら良いオイルを使っていても徐々に摩耗していってしまう。ピストンリングとシリンダーの隙間から排気ガスが漏れるようになってしまうのだが、そうなると本来のエンジンパワーから徐々に低下してしまう。そこでオーバーホール時はその部分で失われている圧縮圧力を逃さないために部品を交換する。具体的にはピストンリングの交換となる。

とりあえずピストンリングを変えるだけでもエンジンパワーはある程度回復できるので、軽度なオーバーホールの場合はピストンリングと、クランクシャフトを支えるフローティングメタルだけを交換して組み直すことがある。もっともリーズナブルにパワーを回復できる方法だ。

それだけで復活できればいいが、場合によってはシリンダー側が減っていたり削れていることもある。そうなるとシリンダーをボーリングして削り、それに合わせて少し大きなサイズのピストンに交換する。純正でオーバーサイズのピストンが用意されている車種があるのだ。

こうなるとシリンダー壁の傷や摩耗もリセットされるので、よりパワーは復活できるし、その先の長い寿命も期待できる。しかし、シリンダーを内燃機加工業者に送ってボーリング(削る)作業が必要になるのと、ピストンも購入しなければならないのでコストが掛かる。

また、最近は内燃機加工業者の廃業が増え、ボーリング先の業者が全国でも数えられるくらいしかなく、受け付けている業者に作業が殺到している。作業に掛かるまで数ヶ月待ちということも珍しくないので、オーバーホール完了までの時間が長くなる傾向にある。

シリンダーだけでもこれだけ種類があるが、さらにやるならヘッド周りということになる。バルブステムシールの打ち替えなども距離を重ねていると、こちら側からオイルが燃焼室に入るオイル下がりなどが起きることがあるので、どうせならやっておきたい。

ならばと、バルブのすり合わせとか、すり合わせを良くするためにシートカットと呼ばれるバルブとヘッドが接する部分の切削などをしていくとあっという間にコストは高くなってしまう。

しかし、どうせ開けるならピストンのバランス取りもしようとか、もろもろ作業を追加していくと結構な金額になりがち。

そうなると100万円コースになるのが普通。であれば、エンジンごと交換してしまう手もある。それが新品とリビルドエンジンだ。新品はその名の通り自動車メーカーからエンジンを買うこと。ホンダやスバルのようにエンジン単体の販売がないメーカーもあるが、その他のメーカーではエンジンをまるっと買うことができる。

パーツを単体で買って組み立てるよりもリーズナブルなので、いっそのことエンジン交換もひとつの手段。

リビルドエンジンは専門業者が中古エンジンをオーバーホールして販売しているもの。チューニングエンジンのような細かいバランス取りをしたりはされていないが、新品エンジンに近い性能を出すべく、消耗品などを交換してある。価格も新品の2/3くらいであることが多く、比較的リーズナブルに購入できる。

だが、国産の販売台数の多い車種はリビルドエンジンがあるが、マイナー車種や輸入車となるとなかなかラインアップされていないという問題もある。

オーバーホールといっても比較的リーズナブルなものから、高額なフルオーバーホールまでさまざまな種類がある。また、すでに完成してコンプリートエンジンに載せ替えたり、新品に載せ替え、リビルドエンジンに載せ替えなどもある。

それぞれメリットとコストパフォーマンスがあるので、どこまでを求めるかで選ぶようにしてもらいたい。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  2. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  3. ジープ『チェロキー』新型、新写真からリアデザインが判明
  4. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  5. ジープ『レネゲード』2027年モデルに注目集まる…6月のスクープ記事ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る