誰が呼んだか「ベンツフォン」、再来モデルのGalaxy Z Flip5 Retroを韓国で見てきた

「ベンツフォン」再来、Galaxy Z Flip5 Retroを韓国で見てきた。マット仕上げで落ち着いた雰囲気、大人の男性も違和感なく使えるデザインが好印象(山根康宏)
「ベンツフォン」再来、Galaxy Z Flip5 Retroを韓国で見てきた。マット仕上げで落ち着いた雰囲気、大人の男性も違和感なく使えるデザインが好印象(山根康宏)全 9 枚

ベンツフォン、という名前を聞いて「ベンツがスマートフォンなんて出していたかな」と思う人が大半でしょう。

海外では自動車メーカーとコラボしたスマートフォンもいくつか出ています。メジャーどころではサムスンが2023年2月に韓国で発売した「Galaxy S23 Ultra BMW M Edition」。ボンネット型のパッケージなどものすごい製品でしたが、韓国キャリアSKテレコムと提携したモデルだったために韓国以外では販売されませんでした。

「Galaxy S23 Ultra BMW M Edition」

さてベンツフォンは今から20年前に誕生した携帯電話。しかも通称であって正式名称ではありません。ベンツも全く無関係の製品なのです。とはいえスタイリッシュなボディーデザインは高級感があり、そのイメージからだれかがベンツフォンと呼び出し、それが認知されるようになっていったのです。その製品とはサムスンのフィーチャーフォンE700です。

E700

このベンツフォンを20年ぶりによみがえらせたモデルがサムスンの「Galaxy Z Flip5 Retro」。縦折り式スマートフォン、Galaxy Z Flip5のバリエーションモデルであり、一部の国で販売されています。

Galaxy Z Flip5 Retroは、基本スペックはGalaxy Z Flip5そのままに、ボディー本体の仕上げなど外観を中心にカスタムしたモデル。E700はダークネイビーブルーともいえる濃い青色のボディーにシルバーをあしらった外観デザインでしたが、Galaxy Z Flip5 Retroも同様の仕上げ。Galaxy Z Flip5の標準モデルはフレームが光沢仕上げですが、Galaxy Z Flip5 Retroはマットシルバー。ヒンジ部分も同様にマットブルーになっています。

アウトディスプレイの壁紙も昔のLED風にしているそうで、高デザインのモデルと思いきや「なつかしさを感じさせる」ようになっています。まあ製品名からしてGalaxy Z Flip5 『Retro』ですからね。

2023年11月中旬の韓国訪問時、ソウルのサムスン・カンナム店(Galaxyフラッグシップストアでもある)で製品を見てきたのですが、このモデル目当てに来ているお客さんも結構いました。韓国でもE700は爆発的なヒット商品だったこともあり、懐かしむ人も多いのでしょう。ちなみにE700が出た2003年のころ、日本はiモード全盛のケータイインターネットの時代。E700のような「デザインだけがいい」製品が日本市場に入り込む余地など皆無でした。ですのでE700が海外でヒットしたことは日本でほとんど知られておらず、Galaxy Z Flip5 Retroのどこがレトロなのか、日本人にはピンとこないのも仕方ないのかもしれません。

とはいえGalaxy Z Flip5 Retroの全体的にマットな仕上げは落ち着いた雰囲気があり、明るいイメージの標準モデルとは異なる印象です。Galaxy Z Flip5はフリップフォンとして若い世代、女性などに受けているようですが、Galaxy Z Flip5 Retroは大人の男性でも違和感なく使うことができるモデルと感じます。実際に筆者もGalaxy Z Flip5 Retroの実機を触ってほしくなってしまったほど。カラバリの1モデルとして十分ありな製品です。

なおホーム画面の壁紙などもE700をモチーフにしたものが表示できます。ただE700のフォルムをデザインしたイラストはいいものの、ちょっと目立ちにくいというかわかりにくいというか。どうせならE700の10キー(たしかキーの周りはブルーで光った)を再現するくらいの凝ったものにしてほしかったと思います。このあたりはモトローラの折りたたみ「razr 40」シリーズのほうがRetro Razrモードとして全体を過去モデル風にしてしまうテーマを搭載しており、しっかりと作り込まれています。

サムスンは海外でオンライン限定モデルも出しており、Galaxy Z Flip5にも4色のカラバリがあります。こちらもマット仕上げなのですが、フレームはブラックなのでやや重みを感じるデザイン。Galaxy Z Flip5 Retroのほうがどことなくスタイリッシュにも感じられるところです。

なおオンライン限定と言いながら、韓国では訪問したサムスンカンナムで限定販売、先日訪問したタイではスマートフォン販売イベントの会場でも販売されていました。オンラインじゃなくその場で買いたいって声があるくらい、シックな色合いのカラバリを好む人も多いのでしょう。

サムスンはファッションブランドとコラボしたGalaxy Z Flip5 Maison Margiela Editionも海外で発表しました。縦折りスタイルのスマートフォンは本体を折りたたむことでデザイン上の変化もつけやすく、カラバリやコラボモデルをより多く出せるのかもしれません。日本ではモトローラからも新製品がでてきましたし、縦折りモデルは来年以降、面白い製品がいろいろと出てきそうです。

Galaxy Z Flip5 Maison Margiela Edition

この記事は、テクノコアが運営するメディア「技術の手帖」掲載の記事をテクノエッジ編集部にて編集し、転載したものです。


「ベンツフォン」再来、Galaxy Z Flip5 Retroを韓国で見てきた。マット仕上げで落ち着いた雰囲気、大人の男性も違和感なく使えるデザインが好印象(山根康宏)

《山根康宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】スライドドア採用にカスタム廃止、大胆進化のムーヴ「四角く見せたくなかった」動きのデザインとは
  5. 「内装は100点満点」フランス生まれの新型プレミアムハッチ『DS N°4』にSNS注目!「いい、凄くいい」の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る