[サウンド制御術・実践講座]イコライザー…コピーすることから始めると上達が早い!?

純正ツイーターの取り付け位置の一例。
純正ツイーターの取り付け位置の一例。全 1 枚

カーオーディオシステムから流れてくる音楽の“質”を上げたいと思ったときには、「サウンドチューニング機能」が役に立つ。当コーナーではその前提に立ち、それらの操作のコツを解説している。今回も、ライト仕様の「イコライザー」の使いこなし方を解説していく。

さて、「イコライザー」にはさまざまなタイプがあり、例えば本格的なものでは左右chをそれぞれ個別に「31バンド」という細やかさで調整できる。一方、ライトな仕様の「イコライザー」ではバンド数は「5」とか「7」しかなく、そうであると「周波数特性の乱れを修正する」という使い方は実践し難い。

なのでライト仕様の「イコライザー」では、「サウンドに味付けを加える」という使い方がメインとなる。で、それをするにあたりお薦めなのが、前回の記事にて説明した「プリセットデータを発展させる」というものだ。「イコライザー」を搭載しているメインユニットには大抵、「イコライザーカーブ」がプリセットされているので、そのうちの1つをまずはそれを任意に設定できる画面にて復元し、その状態から微調整を加えていくと、どこをどう操作するとどのように音が変わるのかを把握しやすい。

なおこれをするにあたっては、特に大きく変化させてあるバンドの設定を「戻す方向」で操作するのがコツとなる。

そうである理由は以下のとおりだ。プリセットデータでは、各データに付けられた名称をイメージさせるサウンドが聴けるようになっている。例えば前回の記事にて例に上げたカロッツェリアの『DEH-4600』にプリセットされている「SUPER BASS」というイコライザーカーブでは低音が強調された設定となっているので、低音の振り幅をさらに大きくすると今度はもともとの音との乖離が大きくなりすぎる。

なので大きく変えてあるバンドはむしろ「戻す方向」に変化させると、強調されている部分がマイルドになりもともとの音に近づきながら、しかしその「イコライザーカーブ」ならではの特長も楽しめる音となる。そしてその他のバンドは、他のプリセットデータの特長的な部分を淡く取り入れていくと、自分ならではの「イコライザーカーブ」を作り上げられる。

そして時間をみつけてはこのような調整法を、プリセットデータの1つ1つで実行してみよう。そうすると、さらに「イコライザー」操作の経験則を積み上げられる。

さまざまある「サウンドチューニング機能」の中でも、「イコライザー」は特に経験則を重ねることが上達のキモとなる。参考にしてほしい。

今回は以上だ。次回からは、高度な「イコライザー」の調整法の解説を開始する。お楽しみに。

《太田祥三》

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