特大ジオラマなどで旧高千穂鉄道の歴史を伝える…高千穂あまてらす鉄道で記念資料館がオープン

高千穂あまてらす鉄道で記念資料館がオープン
高千穂あまてらす鉄道で記念資料館がオープン全 33 枚

宮崎県高千穂町の高千穂あまてらす鉄道(あま鉄、高山文彦社長)が、2005年の台風で壊滅的な被害を受けて08年に廃線となった旧高千穂鉄道(TR)の歴史や文化を学べる「高千穂鉄道記念資料館」を12月24日にオープンした。

あま鉄はTR復興を目指し、廃線の年に設立。翌年から動力のない木製トロッコを人力で押すところから始まった。現在では高千穂駅~高千穂鉄橋間(往復5.1km)を60人乗りのグランド・スーパーカート(GSC)で運行させており、県内でも有数の観光アトラクションとなっている。

ただし屋根のないトロッコは、風雨が強い時など運休せざるを得ないことがあり、荒天時でも構内を楽しめ、かつ歴史も知ることができる施設として、全線廃止から15年となる節目のオープンとなった。

その目玉となるのが、畳6枚分の特大ジオラマだ。実物の約150分の1スケールで、縦約6.5m、横約2m。あま鉄からの依頼で、同県川南町のジオラマ愛好家・藤並克己さんが約1年半かけて制作した。延岡~高千穂の山間を縫う様子を四季を絡ませて再現。高さ日本一と言われた高千穂鉄橋をはじめ、高千穂峡、日之影温泉駅、旭化成の煙突などの情景がぎっしりと詰まる。未開通となった熊本県高森町の高森駅までの幻と消えてしまった線路も夢を与えてくれる。

レールにはかつて走っていた車両が、鉄橋を渡りトンネルを抜けながらダイナミックに走行する。沿線には宮崎交通のバスや旭化成の煙突など、ローカルネタが盛りだくさん。人物も多数散りばめられており、あま鉄社長やサーフィンをしている運転士など、スタッフとみられる隠しキャラ探しも楽しい。

初代の館長を任されたのは、運輸施設主任の髙倉優樹さん(28)。高千穂鉄道の沿線育ちで、子供の頃から高千穂鉄道の運転手になりたいと思っていたという。後に廃線となってしまったが、晴れて入社。日々の業務に奮闘中で、「ジオラマで蘇った高千穂線を是非見に来ていただきたいです。高森までの未成線の部分もつながっており、南阿蘇鉄道とお互いに乗り入れしているのも感動的です」とアピール。

ジオラマのほか、高千穂線ミニシアター、国鉄から三セク、廃線決定から現在までの写真パネル展示、TR車両や国鉄時代から使用されていた鉄道備品の展示、制服と制帽を着用しての記念撮影コーナーなど、ゆっくりと見学できるスペースを設けている。

入館料は高校生以上1000円、小中学生600円など。

《嶽宮 三郎》

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