重要市場インドにおけるスズキの成長戦略とは…スズキ 鮎川堅一副社長[インタビュー]

重要市場インドにおけるスズキの成長戦略とは…スズキ 鮎川堅一副社長[インタビュー]
重要市場インドにおけるスズキの成長戦略とは…スズキ 鮎川堅一副社長[インタビュー]全 8 枚

来たる1月30日、オンラインセミナー「【池田直渡の着眼大局セミナー】第2回 ~インドにおけるスズキの成長戦略~」が開催される。

セミナーに登壇するのは、スズキ株式会社 副社長 営業統括 兼 インド事業本部長の鮎川堅一氏。マルチ・スズキ・インディアの社長、副会長を歴任し、スズキのインド事業を統括するキーパーソンである。

モデレーターを務めるのは、自動車ジャーナリスト・自動車経済評論家の池田直渡氏だ。幅広いメディアで健筆をふるい、クルマのメカニズムと開発思想に対する深い洞察力を各所で発揮している。

当日は、鮎川副社長からのプレゼンテーションに加え、池田氏の視点を交えた深い議論や、視聴者からのQ&Aセッションの時間も用意される。

<セミナーの詳細・お申込はこちら

セミナーは以下の章立てに沿って進められる予定だ。

1. 成長するインド市場におけるポテンシャルについて
・インド市場の急速な成長に伴う、ビジネス環境変化や機会について
2. インドにおけるスズキの成長戦略
(1)生産能力の強化
(2)商品、販売戦略(市場動向、都市部、農村部での販売含む)
(3)アフリカ向けなどの輸出拠点としてのインド
(4)カーボンニュートラルに向けた取り組み
(5)インドとの人材交流 など
3. 対談・質疑応答

本稿ではセミナーの開催に先立ち、インドにおけるスズキの現在の事業展開と、鮎川副社長に聞いたセミナーの見どころを紹介する。


世界3位のインド市場で圧倒的シェア

インドの自動車市場は、昨年日本を抜いてついに世界3位の自動車市場となった。そのインドにおいて、圧倒的なトップ企業として君臨しているのが、スズキの子会社、マルチ・スズキ・インディア(以下、マルチスズキ)である。

そして、そのインドの自動車市場は、今後も大きな発展が見込まれている。世界一の人口を有し、製造業やIT産業など自動車産業の裾野も広がりつつある。その成長の可能性は誰もが認めるところだ。

マルチスズキのインドにおけるシェアは、2023年上期において42.1%と、地場のタタやマヒンドラ&マヒンドラ、韓国ヒョンデを大きく引き離してトップの座を維持しており、販売台数も好調に推移している。

2017年から稼働を開始したグジャラート工場は、今年12月4日に累計生産台数300万台を6年11ヶ月で達成した。これはスズキの生産拠点としては最速となる。グジャラート工場は、インド国内向け車両の生産だけでなく、インドを生産拠点として近隣諸国へ輸出する車両の生産も担っており、中南米やアフリカなどに輸出されている。

BEVについては、今年1月のAuto Expo 2023で発表した『eVX』ベースのBEVを2024年度に投入。インド国内だけでなく輸出も行う予定だ。また、インド国内向けには2030年度までに6モデルを展開する計画。

インドにおけるカーボンニュートラルとは

今回のセミナーのテーマのひとつとして、インドにおけるカーボンニュートラルがある。今後も成長が見込まれるインド市場だが、カーボンニュートラルへのアプローチは、欧米や中国のように、BEVを中心にというわけにはいかない。

インドのトップ企業として、マルチスズキはこの難しい課題にどのような戦略を持って臨むのか。インド事業を統括する立場の鮎川氏は、BEVの存在は認めながらも、それがすべてではないとする。

「BEVは否定しませんが、インドにおいてはBEVがすべてになるわけではありません。BEVなのか、水素なのか、いろいろなオプションがまだあると思いますし、そういう将来につなげていくためにも、ICE(内燃機関・エンジン)の技術もまだまだ必要だということはご理解いただきたいと思います」

そして、インドならではのカーボンニュートラルとして、インド政府も熱心に取り組んでいる牛糞由来のバイオガス燃料を車のエンジンの燃料(*CBG)として利用する取り組みについて言及した。

* CBG:Compressed Biomethane Gas


《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

+ 続きを読む

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 軽自動車よりも小さい! 15歳から運転できるオペル、約132万円から販売
  3. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る