これはラッピングではなく塗装です、積水化学の塗料転写シート…オートモーティブワールド2024

積水化学工業の「塗料転写シート」。仕上がりは従来の塗装と同じ。補修もできる
積水化学工業の「塗料転写シート」。仕上がりは従来の塗装と同じ。補修もできる全 10 枚

CASEなど次世代車両は、ケミカル品、素材など化学工業分野の市場も拡大している。オートモーティブワールド2024に出展した積水化学工業も自動車分野に力を入れる企業のひとつだ。

CASEやSDV以前から、自動車製造における樹脂製品や高分子素材、塗料など化学工業製品の重要性は高くなっていた。しかし、EVではバッテリーに関連する素材技術のイノベーションが不可欠だ。電極素材や電解質、セパレーターなど薄膜製品などにまったく新しい合金、鉱物、有機化合物が求められている。

カーボンニュートラルの背景にある温暖化対策では、製品ライフサイクル全体の環境性能(リサイクル、リユース)も事業戦略の優先事項。塗装や車両内外装の素材についても、空気を汚さない、水を使わない、廃棄物をださない、といったことがトレンドになっている。

転写シートによる塗装で環境負荷を減らす

積水化学が展示していた「塗料転写シート」は、ボディや内外装の樹脂製品の塗装をスプレーや塗料槽なしで実現する技術だ。名前のとおり塗料がついたシートをボディ部品など対象に押し当てて塗料を転写する。熱や圧力も加えるので、従来の塗装工程による仕上がりに対し、色、耐久性などが落ちることはほぼないという。補修についても従来型の塗装製品と変わりないそうだ。

部品にラッピングしているように見えるが、塗装していることになる

転写フィルムにはカラー層とクリア層の塗料がついている。これを対象物に圧力をかけながら貼り付ける。工程のデモ動画を見ていると、ボディのラッピング施行のようにシートを伸ばして部品の形状や曲面にぴったり合わせている。


《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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