北米マツダの好調を支えるラージ群に『CX-70』投入…全車種MHEVまたはPHEVで今春発売

マツダCX-70
マツダCX-70全 13 枚

1月31日未明(日本時間)にマツダの新型SUV『CX-70』のワールドプレミアが行われた。発表はオンライン形式で行われ、マツダノースアメリカンオペレーションズ社長兼CEOのトム・ドネリー氏が、北米市場の動向やCX-70の特徴などを語った。

CX-70詳細画像

◆マツダの最大市場でのラインナップ

マツダは1月30日に2023年1~12月の国内外の生産・販売状況を発表している。その中で欧州・北米市場での好調が顕著だ。グローバル販売では北米と欧州がともに前年比で+23%を超えている。北米市場では国内市場のおよそ2倍、36万台以上の販売数を記録している。リージョンごとのトップである。

ドネリー氏は、とくに3列シートの『CX-90』がヒットとなり好業績をけん引したとの見方を示す。この勢いを2024年も継続させるべく、投入するのが新型のCX-70となる。北米では『CX-50』とCX-90との間を埋める2列シートのSUVだ。パワートレインはe-SKYACTIV G PHEVとe-SKYACTIV G 3.3L 直列6気筒ターボ(Mハイブリッドブースト=48Vマイルドハイブリッドシステム付き)が用意される。

CX-50はよりアクティブなユーザー、アウトドア志向の高いユーザーの支持をえている。だが、「このセグメントには、洗練されたデザインと上質なインテリア、より大きな荷室にこだわる層もいる」(ドネリー氏)という。5000ポンドの牽引能力も備えている。CX-50の上位モデル、パワーとユーティリティをアップしデザイン性を備えた2列シートのSUVがCX-70の位置づけだ。

CX-90が獲得した「IIHS 2023 TOP SAFETY PICK PLUS」を念頭に、CX-70でも同等の安全性も目指す。ドライバーモニタリングシステムと連動して、ドライバーがアラートに反応しない場合の緊急自動停車も搭載される。日本国内向けの『CX-60』では、ドライバーモニタリングシステムが搭載されている。EURO6におけるDRM(ドライバーモニタリングシステム)の義務化を受けて、今後のマツダ車の多くに搭載されていく機能のひとつだ。

◆マイルドハイブリッドとPHEV

パワートレインにはマイルドハイブリッドが設定されるが、欧米市場ではPHEVの動きがよいのでCX-70もPHEVが主力になると思われる。

マツダの好調およびPHEV人気はアメリカだけではない。ドネリー氏は、カナダ、オーストラリアも同様であり、どちらもCX-70が順次投入されるとも述べた。

マツダのグローバル戦略は、まずラージ群と呼ばれるプラットフォームで電動化シフトに向けた体力強化を行う。ここではディーゼルエンジンなど内燃機関車もラインナップされるが、PHEVなど電動化シフトを段階的に進めていく(フェーズ1)。2024年はこの段階の締めくくりの年とされる。25年からの2年(フェーズ2)でPHEVの拡充とEVへの備えを進める。28年から30年にかけて本格的なEVを投入していく(フェーズ3)。

ドネリー氏も「現段階ではPHEVが市場にとって最適」としていた。北米・EUでPHEVが好調なのは、拡大する新しいEV市場に対して、あまり関心のない層の受け皿になっていると考えられる。マツダにとっても来るべきEV時代に備えるため、利益を確保しやすいプレミアムSUV(PHEV)で体力をつけやすくなる。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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