東名高速「あおり運転」に再び懲役18年、東京高裁差し戻し控訴審[新聞ウォッチ]

東京高等裁判所
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危険極まりない「あおり運転」に対する厳罰化は当然の判決である。しかも、判決の言い渡し後に被告は、裁判長らに向かって「俺が出るまで待っておけよ」と反省の色もなく暴言を吐いて退廷したそうで、懲役18年でも足りないぐらいだろう。

神奈川県大井町の東名高速道路で2017年、「あおり運転」の末に一家4人を死傷させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)などに問われた差し戻し控訴審の判決が東京高裁で行われた。

安東章裁判長は「危険運転の成立を認めた判断に事実誤認はない」と述べ、懲役18年とした差し戻し後の横浜地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却したという。

きょうの各紙も社会面で「東名あおり再び懲役18年」などの見出しで大きく報じている。それによると、被告は17年6月、東名高速道路下り線で、前に割り込んで減速する妨害運転を4回繰り返し、静岡市清水区の萩山友香さんが運転するワゴン車を停車させ、後続の大型トラックによる追突事故を誘発。友香さんと夫の嘉久さんを死亡させ、娘2人に軽傷を負わせた。

被告側は「妨害運転はしていない」などと訴え、危険運転の成立を争っていたが、きのうの東京高裁で裁判長は「20秒ほどの間に急な加速や減速を繰り返している」と指摘。「意図的に通常と異なる運転をしたことは明らかだとした地裁の判断に誤りはない」と退けたという。

この死傷事故を機に道路交通法が改正され、急ブレーキや急な車線変更など10類型を対象とした「あおり運転罪」が創設。自動車運転死傷行為処罰法も改正され、走行中の車の前で停車し、進行を妨げる行為などが「危険運転」に加えられた。

ただ、チューリッヒ保険の調査によると、ドライバー約2200人のうち、あおり運転を受けた経験があると答えたのは、18年の70%から19年は60%に減少したが、20~23年は50%台で、横ばい傾向。23年調査では、あおり運転が改正道交法で減ったと思うか尋ねたところ、「思わない」「どちらかというと思わない」が合わせて48%だっという。きょうの東京も「厳罰化、それでも、あおり運転は今もなくなっていない」などと伝えている。

2024年2月27日付

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《福田俊之》

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