燃料電池車にも「かっこいい」を、生まれ変わったホンダ『CR-V e:FCEV』デザインのねらいとは

ホンダ CR-V e:FCEV
ホンダ CR-V e:FCEV全 61 枚

ホンダ『CR-V』の日本復帰作としても話題となっている、新型燃料電池車の『CR-V e:FCEV』が2月28日、正式発表となった。欧州や北米で先行して販売されている6代目CR-Vをベースに、GMと共同開発した燃料電池システムを搭載。長年にわたり燃料電池車を開発し続けてきたホンダだが、今回は人気のSUVベースとすることで燃料電池車の普及を加速したい考えだ。

【画像全61枚】

CR-V e:FCEVの実車は、同日開幕した「H2&FC EXPO[春]2024~第21回[国際]水素・燃料電池展[春]~」(会場:東京ビッグサイト)でお披露目となっているが、今回は先行してメディア向けにおこなわれた取材会で撮影することができた日本仕様のCR-V e:FCEVの詳細画像とともに、内外装デザインの特徴を中心に紹介する。

◆『CR-V』らしさとe:FCEV専用デザイン

ホンダ CR-V e:FCEVホンダ CR-V e:FCEV

CR-V e:FCEVのグランドコンセプトは「E-life Generator」。約3分で水素を充填できるストレスフリーな長距離ドライブ、EVのような使い勝手を提供するプラグイン充電機能、そしてSUVならではの走破性や使い勝手を合わせ持った「身近に使える燃料電池車」として開発された。水素一充填あたりの走行距離は600km以上。容量17.7kwhのバッテリーを搭載し、電気とモーターのみでのEV走行可能距離は60km以上となる見込みだ。

パッケージングとしては、燃料電池車でありながらベースとなった内燃機関のCR-Vとほぼ同じ室内空間としているのが特徴。水素タンクは後席下と、後席うしろに搭載し、プラグインハイブリッドのIPU(インテリジェントパワーユニット)を床下に収めることでSUVとしての快適性を確保した。荷室は水素タンクの張り出しを逆手にとって、フレキシブルボードを活用することでフラットで広い荷室スペースと、荷物の整理や収納がしやすい2段式の荷室を実現している。この荷室空間は従来の『クラリティ フューエルセル』などでは実現できなかった実用性だ。

ボディサイズは全長4805mm×全幅1865mm×全高1690mm、ホイールベースが2700mm。燃料電池ユニットを搭載するため、フロント部分が110mm延長されている以外はベース車と全く同じディメンションとなっている。

ホンダ CR-V e:FCEVホンダ CR-V e:FCEV

エクステリアデザインは、歴代CR-Vが持つスポーティで機能的なスタイリングに「クリーン」「タフ」「アイコニック」をキーワードに、「気張らない知的な佇まい」と「ゆとりから生まれる自然な強さ」を表現。延長されたフロント部分はベース車とは全く異なるデザインとなっており、それを引き立たせるためにフロントフード、フェンダー、バンパー全体で伸びやかさを表現。ヘッドライトは薄型でワイド感を強調し、アンダーグリルは大型化されSUVらしい力強さも感じさせるものとなっている。

リアコンビネーションランプはCR-Vの伝統である縦型とし、ひと目でCR-Vとわかるキャラクターと高い視認性を確保した。このリアコンビネーションランプはアウターレンズがクリア化され、よりクリーンな印象とした。またリアバンパーロア部分もe:FCEV専用デザインとなっている。さらにフェンダーガーニッシュ、サイドシルガーニッシュがボディ同色となり、リアのライセンスガーニッシュ(左右リアコンビネーションランプの間)はブラック化され、より洗練されたSUVの佇まいとしているのも特徴。

ボディカラーは「軽やか」「クリーン」をイメージさせる「プレミアムホワイトパール」と、「力強く」「頼もしい」イメージの「メテオロイドグレーメタリック」の2色を設定。またホイール色をSUVのトレンドに則りブラックカラーのみとしたのもこだわりだ。全体としてエコカーらしさを前面に押し出すのではなく、あくまで「かっこいいSUV」としての魅力を引き出すカラー選択となっているのがCR-V e:FCEVならではのポイントだ。

ホンダ CR-V e:FCEVホンダ CR-V e:FCEV

インテリアは「上質なのにタフに使えるモダンコーディネート」を実現したベース車と基本は共通。『シビック』などから採用されている水平基調のシンプルで質感の高いデザインをベースに、SUVならではのタフなイメージを盛り込んだ。インパネからドアまでつながるダイナミックなモチーフ、窓の映り込みまで配慮したインパネ造形、ハニカム柄の高輝度メタル調フィルム、シンプルな操作性とすっきりとした印象を与えるセンターコンソールなど、上質さと使い勝手を両立したコーディネートを追求したという。さらに環境に配慮した素材としてバイオ合皮を採用するなど、「人と環境に寄り添うFCEVのスタイルを提案している」。

燃料電池車であること、リース販売という特性からメインターゲットは企業や官公庁、自治体などを想定しているが、「SUV化したことで個人向けにもアピールできるクルマになった」とホンダは説明する。生まれ変わったCR-Vが再び花を咲かせることはできるのか。

《宮崎壮人》

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