動く実物大『ミライドン』トヨタ有志が制作---ポケモンに登場する乗り物

TOYOTA Engineering Society MIRAIDON。
TOYOTA Engineering Society MIRAIDON。全 12 枚

トヨタ技術会は、株式会社ポケモンとともに、子供たちが想像する「ミライモビリティ」のひとつとして、2022年に発売されたニンテンドースイッチ用ゲームソフト『ポケットモンスター バイオレット』に登場する伝説のポケモン「ミライドン」を制作した。

【画像全12枚】

想像する楽しさと、モノづくりの力を伝えるプロジェクト「トヨタミライドンプロジェクト」と名付けられ、3月15日から3月17日まで東京ミッドタウン日比谷アトリウムにて展示と試乗が体験できるイベントが実施される。3月14日には、メディア向けに「TOYOTA Engineering Society MIRAIDON」が先行公開された。

そもそも今回制作を行なったトヨタ技術会とは、自動車、自動車産業を盛り上げたい、世の中をもっと明るくしたいという思いを持った社員の有志が集まった団体だ。戦後間もない頃から結成され約70年近く活動が続いており、現在では2万人以上の会員が所属している。

トヨタ技術会とポケモン社の制作チーム。トヨタ技術会とポケモン社の制作チーム。

◆ミライドンの実現は小学生のアイデアだった

今回の取り組みは、2023年の1月にメンバーが集まった時に企画されたもので、「未来のモビリティ」というのはどういったものがあるか? というところからスタートしている。キーワードとして「想像」、「憧れ」といったものを掛け合わせることで「未来モビリティ」を作ることはできないかと検討されたとのこと。

ただし「憧れ」については人それぞれあるため、今回は子供たちの「憧れ」に焦点を当て、まずは愛知県下の小学生にアンケートを取らせてもらい、「将来の未来モビリティとしてどういったものがあったら楽しみですか?」というお題で絵を描いてもらった。

約8000枚集まった絵を1枚1枚見ていくと、「動物」、「相棒」、「変形機能がある」といったキーワードが見えてきた。そこでそれらを掛け合わせて未来モビリティを作れないかと検討していく中で、「ミライドン」というポケモンを描いた絵があった。これこそ今回進めていこうとしている企画と一致しているのではないかということで、すぐに株式会社ポケモンに企画を持ち込んだ。その結果、あっさりと一緒にやりましょうという回答を得たとのこと。

トヨタ自動車の佐藤和輝氏はTOYOTA Engineering Society MIRAIDONについて解説を行なった。トヨタ自動車の佐藤和輝氏はTOYOTA Engineering Society MIRAIDONについて解説を行なった。このイラストがミライドン制作の方向性を決定づけたそうだ。このイラストがミライドン制作の方向性を決定づけたそうだ。

◆すぐに一緒にやらせてくださいと回答したポケモン社

ポケモン社の担当者によると、会社では「面白いことってなんだろう?」、「面白いって大事なことだよね」というキーワードを大事にしているとのこと。今回の提案のような、ちょっと現実味がないように思えるが、熱意がすごくあることを実現するのはとても面白いことだなと考え「すぐに一緒にやらせてください」と回答したと語っていた。

◆約3分で1メートル前進するミライドン

今回展示された「4足モード」のミライドンは、4つの足で歩くことを目指して制作され、動くということにこだわって作られている。ミライドンにはもうひとつのモードがあり、バイクのような形になる「ドライブモード」では、人が乗ることが可能だ。

企画やコンセプトの説明の後、ミライドンによる移動デモも行なわれた。非常にゆっくりではあるが4本の足が順番に動く事で、1メートルほど前方に進むことができた。またその際に動きについてはジョイコン(ニンテンドースイッチ専用コントローラー)で操作していた。これは子供たちの描いた絵であり、夢があるものなので、キーボードを使って実行といったことは味気ないと考え、ゲームと同じようにコントローラーを使って操作することにこだわったとのこと。

歩くための操作用コントローラーにはジョイコンが使われていた。歩くための操作用コントローラーにはジョイコンが使われていた。

◆電源についてはC+walkのバッテリーを採用

トヨタ自動車の佐藤和輝氏に「TOYOTA Engineering Society MIRAIDON」についての詳細を聞いたところ、動力となる電源はバッテリーで、トヨタが発売している3輪小型モビリティ『C+walk』のバッテリーを共用している。そのほかについてはほぼゼロから作られたもので、外側の見えている部分は樹脂製で、尻尾の中にあるギミックなどは金属で成形している。

メディア受付のテーブルに置かれていた白いミライドンは、今回展示されているミライドンを制作する前に、ギミックを含め構造を勉強するために作られた5分の1サイズの模型だ。尻尾の動きなどはこの模型で動きが検討され、制作にいかされている。

今後の展示については、今回の3日間だけでとくに予定はしていないが、来場者の反響を聞いて検討したいとのことだった。最後に今回このプロジェクトに携わった方たちが「ポケットモンスター」のゲームをプレイしていたかを尋ねたところ、プレイしていた人は多いとのことで、まさに佐藤氏はちょうどポケモン世代で、小学生の頃に「ポケットモンスター赤・緑」が発売され、ずっとシリーズをプレイしてきたという。

TOYOTA Engineering Society MIRAIDON の制作前に作られた5分の1サイズの模型。ギミックなど動きの確認などに使われていたとのこと。TOYOTA Engineering Society MIRAIDON の制作前に作られた5分の1サイズの模型。ギミックなど動きの確認などに使われていたとのこと。

(c) Pokémon. (c) Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.

《関口敬文》

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