[サウンド制御術・実践講座]クロスオーバーの“位相合わせ”にはコツがある!

「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX70DA)。
「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX70DA)。全 1 枚

車室内環境には、音響的な不利要因がいくつかある。でも「サウンドチューニング機能」を駆使すれば、それらへの対処が可能となる。当連載では、そのやり方を解説している。現在は、フロントスピーカーとサブウーファー間の「クロスオーバー」の設定法を説明している。

さて、「クロスオーバー」機能には、併せて「位相切替スイッチ」も装備されている。なお前回の記事にて説明したように、「位相」とは「音波のタイミング」だとイメージすべきだ。音は、水面を伝う波紋のように空気中を上下動を繰り返しながら前に進む。

で、サブウーファーを使う場合にフロントスピーカーとの担当範囲の境目付近の音は、フロントスピーカーとサブウーファーの両方から聴こえてくる。このように、複数のスピーカーから同じ音が聴こえてくる場合には、それぞれの「音波のタイミング」がシンクロしないとサウンドの一体感が損なわれる。なので「クロスオーバー」を設定する際には「位相切替スイッチ」を操作して、両方の「音波のタイミング」を同調させたい。

なお、両方のスピーカーから聴こえてくる音の「位相」が合うと、音像が向かってくる感じが強まり、音量も大きくなったように感じられる。なので「位相切替スイッチ」を操作する際には、音楽を流しながら耳をすまして、より向かってくる感じが強いのはどちらなのかを聴き比べよう。

だが、「位相切替スイッチ」を操作しても違いが分かりづらいときがある。その場合は、「音波のタイミング」がどっち付かずの状況にあると判断できる。そうではなく「音波のタイミング」が完全に一致しているか180度ズレている(ひっくり返っている)場合には、「位相切替スイッチ」を操作すると「正」か「逆」かのいずれかで、タイミングがピタリとそろう。しかし仮に90度ズレていたとすると、「正」と「逆」を切り替えて「音波のタイミング」を180度変更しても(ひっくり返しても)どちらにせよ90度ズレた状態はそのままだ。

なのでそのような場合には、「スロープ」を切り替えてみよう。「スロープ」を1段階進ませると「位相も90度進むので、どっち付かずの状況を変えられる。その上で「位相切替スイッチ」を操作してみると、音の変化が表れる。そうなったらしめたものだ。切り替えたときの音を聴き比べて、より向かってくる感じが強い方を選択すればOKだ。

今回は以上だ。次回はその「スロープ」について詳しく解説していく。お楽しみに。

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  2. コメリが洗車グッズの新商品を発売、撥水力2倍のカーワックススプレーなど4アイテム
  3. <新連載>[車内エンタメ最新事情]音楽を聴く場合、スマホはどう繋ぐ? 便利なのは? 音が良いのは?
  4. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  5. 不適切利用47%、カメラ式駐車場管理システムで判明…熊野白浜リゾート空港
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る