巨匠ガンディーニが手掛けた「シトロエン BX」に思いを馳せる【懐かしのカーカタログ】

シトロエンBX(当時のカタログ画像)
シトロエンBX(当時のカタログ画像)全 9 枚

先ごろ惜しくも逝去が報じられた、イタリアのカーデザイナーの巨匠のひとり、マルチェロ・ガンディーニ。ランボルギーニ『カウンタック』を始めスーパースポーツカーのスタイリストとして有名だが、彼の仕事は幅広いブランド、カテゴリーの市販車に及んだ。

シトロエンBX(当時のカタログ画像)シトロエンBX(当時のカタログ画像)

シトロエン『BX』もその中の1台。このクルマはガンディーニが独立する直前、それまで在籍していたベルトーネ時代に最後の仕事として手がけ、シトロエンとしては初めてデザインを“外注”したモデルだった。1982年9月の第69回パリサロンで登場。日本市場では1984年5月より、当時の西武自動車から発売された。当初は上級グレードの“BX16TRS”から導入、写真のカタログはその頃のもの。

シトロエンBX(当時のカタログ画像)シトロエンBX(当時のカタログ画像)

それまでの曲線的だったシトロエンに対し、直線基調のスタイルが特徴的。斬新なだけでなく、ボンネット、テールゲートなどの外板には樹脂素材が用いられた。Cピラーの黒い部分は車内から視界が得られるよう小窓付き。

リヤタイヤがスパッツで覆われるのはシトロエンの伝統を採り入れたもの。

シトロエンBX(当時のカタログ画像)シトロエンBX(当時のカタログ画像)

インテリアはウインカーもメータークラスターのサテライトスイッチの中に組み込んだ先進的なデザイン。メーターはデジタル式とし、シトロエンの伝統の1本スポークのステアリングも採用された。

シトロエンBX(当時のカタログ画像)シトロエンBX(当時のカタログ画像)

サスペンションにはグリーンの球体(アキュームレーター)を備えるハイドロニューマチックシステムを採用。身体が包み込まれるようなクッションを用いたシートとともに、独特の浮遊感覚(!?)溢れる乗り味を実現していた。後にワゴンタイプのブレーク、1904ccインジェクション仕様のエンジンを搭載した“BX19GTi”、DOHC版の“BX16VALVE”なども登場した。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ『WR-V』はなぜリコール?…5月掲載のリコール記事ランキング
  2. 「このご時世でも価格は据え置き!」31万円台で発売の125ccラグジュアリースクーターに熱視線
  3. 8人乗りのフォルクスワーゲン登場! 選択肢広がるミニバン『マルチバン』
  4. スズキの「推しバイク」ランキング結果を発表! 安定人気の1台と、超意外なモデルとは
  5. メルセデスベンツの次世代高級ミニバン、『VLS』と『VLE』として市販化へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 【調査レポート】ベトナムにおけるモビリティ市場調査~13社(四輪・二輪)の最新動向~
  2. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
  3. シェフラーがヴィテスコ合併後初の出展、ポートフォリオ拡大と顧客対応力をアピール…人とくるまのテクノロジー展2025
  4. テラチャージ、病院に急速充電器を初導入、順天堂大学練馬病院に150kW仕様を設置
  5. ヒョンデ、水素技術リーダーとしての存在をアピール…世界水素サミット2025
ランキングをもっと見る