ビンファストがタイ参入で気炎、「中国ともアメリカとも違うこの国で本物になる」…バンコクモーターショー2024

ビンファストブース(バンコクモーターショー2024)
ビンファストブース(バンコクモーターショー2024)全 13 枚

ベトナムの新興自動車メーカーであるビンファスト(VinFast)が、タイで開催されているバンコクモーターショー2024(第45回バンコク国際モーターショー)でタイ市場参入を発表する大々的なプレスカンファレンスを開催した。

会場はバンコク郊外、ノンタブリー、パーククレットにあるIMPACT(エキシビジョンセンター)。ビンファストは北米やEUなどでバッテリーのサブスクリプションモデルをいち早く導入し、導入コストの安さでEV市場で参入、成功している企業。タイ市場への参入は2024年の4月に正式なローンチが予定されている。3月27日に開幕したバンコク国際モーターショーでは、その告知を兼ねたプレスカンファレンスと導入車両の発表などを行った。

カンファレンスでは「我々は(インドの)タタにも負けない。中国ともアメリカとも違うこの国で本物になるために参入した」と、ASEANでも独自の自動車産業・文化を持つタイでのビジネススタートの意気込みを語っている。サブスクリプションモデルはタイでも一貫して導入され、すでにタイ国内15のディーラーと契約し、国内販売・サポート網を構築していくことも発表された。充電ステーションについてもグローバルで展開するV-Green社(VINグループ)のネットワークをタイでも展開するとした。

会場でアンベールされたのは『WILD』というオフロードピックアップトラックタイプのラグジュアリーEVだ。今年のCESでワールドプレミアされている。4人乗りのキャビンと荷台を備えているが、キャビン部分は両開きの完全ピラーレスハードトップになっている。荷台のサイズは用途に応じて拡張可能だという。完全コンセプトモデルであり、詳細スペックは公式には発表されていない。

ビンファストブース(バンコクモーターショー2024)ビンファストブース(バンコクモーターショー2024)

もう1台はビンファストの新モデルである『VF3』が、タイで初めての実車のお披露目となった。キャビン部分にはドアが2枚しかない小型モビリティのようなEVだ。2026年にインドから投入が予定されている。こちらも詳細スペックは未公開だが、価格は2万ドル以下と言われている。日本でも発売されれば若者向けのアクティブコンパクトとして人気がでそうだ。

ビンファストブース(バンコクモーターショー2024)ビンファストブース(バンコクモーターショー2024)

タイでの商品展開は、5~6月をめどに『VFe34』から市場に投入される。VFe34はグローバルで2万台以上が販売されたと言われている同社のヒット商品だ。インドネシアですでに右ハンドル仕様のモデルが販売されており、同じ右ハンドルのタイに進出を果たす。その後は、『VF5』『VF6』『VF7』が年末までに順次市場に投入される予定だ。

ビンファストブース(バンコクモーターショー2024)ビンファストブース(バンコクモーターショー2024)

タイでは数年前からBYD、MG、NETAなどがEVを武器に乗用車市場に参入してきている。インフラも発展途上であり戸建・家族と購入者の属性は限られているが、2023年のEV販売は前年の約7倍。8万台の実績がある。タイ国内の自動車販売に占める割合は10%を超えたともいわれる。とくに強いのがBYDだが、昨年後半から2024年には長安汽車(DEEPAL)、ZEEKR、上海汽車(SAIC)などが続々とタイ市場で名乗りを上げている。

《中尾真二》

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