本格4WDを乗用車にクロスオーバー、『チャレンジャー』は三菱SUVの先駆けだった【懐かしのカーカタログ】

三菱 チャレンジャー
三菱 チャレンジャー全 9 枚

1996年7月に登場した三菱のSUVの『チャレンジャー』。『パジェロ』が“本格4駆”のキャラクターを持つのに対して、当時の『ハイラックス・サーフ』『テラノ』などと並ぶ、より乗用ユースも意識したクルマに仕立てられていた。

とはいえ2代目パジェロと共通のラダーフレームを採用。ドライブトレーンにはビスカスカップリングとセンターデフ方式のフルタイム4WD機構をもつ“スーパーセレクト4WD”を採用。走行モードは2H、4H、4HLc、4LLcの4パターンが用意され、一般道から雪道、極悪路までオールマイティにカバー(ほかにイージーセレクト4WDも設定)。

三菱 チャレンジャー三菱 チャレンジャー

サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リヤが3リンクコイルスプリング式で、約240mmのホイールストロークも確保していた。最低地上高は215mmの設定だった。

搭載エンジンは3リットルのV6ガソリンエンジンのほか、2.8リットルと2.5リットルの2機種のインタークーラーターボディーゼルを用意。ディーゼルの2機種には5速MTも設定された。

三菱 チャレンジャー三菱 チャレンジャー

ホイールベースは2代目パジェロのロングボディと共通の2750mm。ただし乗車定員は5名の2列シートとし、その分、使いやすいラゲッジスペースが確保された。

カタログ中には「下半身には本格4WDの資質にこだわった先進の走行&安全メカニズムを組み込みながら、上半身はスマートな使いやすさと快適さを目指し、まったく新しい洗練された美しさを感じさせるパッケージングにチャレンジしました」とある。シートアレンジの多彩さは、RVとも呼ばれた当時のクルマらしい充実ぶりだった。

三菱 チャレンジャー三菱 チャレンジャー

ワイパーディアイサー、ヒーター付きドアミラー、カーゴネット、オーバーヘッドコンソール、リヤヒーターといった機能、装備も用意。4WDの機動性と乗用車らしい快適性を高くバランスさせたクルマだった。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  2. 【フィアット 600ハイブリッド 新型試乗】意外にもBEV版よりスムースで快適! 価格にも「親近感」…島崎七生人
  3. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  4. 航続262kmの新型電動バイクが約10万円から、ビンファストが2モデル発表
  5. 今どき? ダウンサスが注目される理由とは…夏のカスタムHOW TOまとめ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  5. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
ランキングをもっと見る