中国製部品の急成長で2025年以降日本製の車載半導体は使われなくなる…名古屋大学 山本真義 教授[インタビュー]

中国製部品の急成長で2025年以降日本製の車載半導体は使われなくなる…名古屋大学 山本真義 教授[インタビュー]
中国製部品の急成長で2025年以降日本製の車載半導体は使われなくなる…名古屋大学 山本真義 教授[インタビュー]全 4 枚

来たる5月31日、オンラインセミナー「分解して見えた中国製BEVの現在地と日本自動車業界が執るべき技術戦略」が開催される。セミナーに登壇するのは、名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授 博士(工学) 兼 名古屋大学大学院 工学研究科 電気工学専攻 教授 の山本真義氏。

今回のセミナーは以下のテーマで進められる。

1.2024年の中国製xEV用e-Axleの現在地
2.中国製e-Axle、DC-DC、OBC分解解析(BYD・NIO、五菱、デルタ電子等)
3.日本製BEV用e-Axle、DC-DC、OBC分解解析(トヨタ、ホンダ、日産、等)
4.2030年のxEVの市場と日本が本市場に対して執るべき技術戦略
5.質疑応答

講演の後には、本セミナーのモデレーターであるスズキマンジ事務所 代表の鈴木万治氏を交えて、参加者からの質疑応答の時間も用意されている。

セミナーの見どころを山本氏に聞いた。

■いま話題のシャオミSU7の注目ポイントは

スマートフォンやスマート家電の大手メーカーとして知られるシャオミ(小米)が先月発売したEV「SU7」。発売と同時に記録的なセールスを残し、中国でいま最も注目を集めるEVだ。

今回のセミナーでもSU7について取り上げたいと山本教授は語る。まだ発売されたばかりで分解調査はこれからだが、現在明らかになっている情報からも興味深い特徴が見て取れるという。

「SU7はシステム電圧がグレードによって2種類あり、400V系と800V系が用意されていますが、特に800V系のほうに興味があります。このような高電圧条件下において、どのような半導体を実装し動作しているのか、注目しています。

またシャオミが、このSU7でどのようなビジネスモデルを狙っているのかも興味深いところです。シャオミにおいて、SU7はスマートフォンやスマート家電との連携が重要な戦略の一環となっています。

ゆえにSU7にはシャオミ製のハイパーOSが搭載されており、シャオミが展開するデジタルエコシステムのひとつの要素として、EVがデジタル体験に組み込まれています。このような動きは、シャオミに限らず中国では現在盛んに行われています。」

「もうひとつ、SU7について非常に興味深い点があります。CD値です。CD値は空気抵抗を示す指標で、0.2以下にすることは非常に難しいのですが、SU7はなんとCD値0.195と発表されています。量産車の中で最も低いCD値を達成したとのこと。ちょっと信じ難いほどの数値なのですが、これをどのように達成したのかが気になります。」

■48VシステムがEVにも

また山本教授は、新たな技術動向として48V化の動きを挙げる。メインの動力系とは別に、補器類の電圧はこれまで12V規格が主流だったが、補器類が大型化・複雑化するとともに要求される電力も増加しており、補器類の電圧を48Vにする動きが広がっている。

では、具体的にはどのようなソリューションに使われているのか。


《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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