EVけん引役の米テスラ、4年ぶりの減収減益で“大騒ぎ”[新聞ウォッチ]

テスラ
テスラ全 2 枚

寄ってたかっての “袋叩き”とは言い過ぎかもしれないが、米電気自動車(EV)大手のテスラが発表した2024年1~3月期決算で、約4年ぶりの減収減益となったいう。このため、きょうの各紙も経済面などに大きく取り上げているが、「テスラ低迷、4年ぶり減収」(読売)や「EV失速、テスラ減収減益」(朝日)などと、ネガティブなタイトルが際立つ。

テスラの2024年1~3月期決算は売上高が前年同期比9%減の213億100万ドル(約3兆3000億円)となり、20年4~6月期以来、約4年ぶりの減収。純利益は55%減の11億2900万ドルだったという。

また、本業のもうけを示す営業利益も56%減の11億7100万ドル。営業利益が売上高に占める割合を示す営業利益率は5.5%と、前年同期の11.4%から半減したそうだ。

世界販売台数も9%減の38万6810台と約4年ぶりに減少。テスラは地域別の販売台数を公表していないが、低価格車で攻勢をかける中国勢を中心とする他社との競争激化や、EV需要の一巡を背景に、米国や中国といった主要市場での販売が低調で、ドイツにある工場が火災で操業を停止したことなども足を引っ張ったとみられる。

ただ、テスラも4年ぶりの減収減益に手をこまねいていたわけでもないようだ。全世界で10%を超える約1万5000人程度の人員削減に踏み込むほか、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、撤退観測も飛び交っていた次世代の低価格EVについて「25年後半に予定していた新モデルの生産開始を25年初めに前倒しする」と強調。低価格のEVを早期に投入できるかどうかが今後の成長のカギを握るようだ。

こうした中で、4月24日の日経夕刊が「ウォール街ラウンドアップ」という投資家向けのコラムを掲載。書き出しは「『世界最高』の自動車メーカーはテスラか、日本のトヨタ自動車か。米株式市場でいま、最も白熱する戦争の一つである」と指摘。

そして「目下、世界『最良』の車メーカーはトヨタだろう。しかし米個人らの投資余力はなお高い。『最高』の銘柄もしばらくテスラであり続ける可能性が高い。裏を返せば、テスラが完全に打ち負かされるとき、それは同時に米株バブル崩壊を告げるサインとなる」と結んでいるのが興味深い。

2024年4月25日付

●円安進行155円台、34年ぶり (読売・2面)

●テスラ低迷4年ぶり減収、1~3月期、低価格EV早期投入カギ (読売・7面)

●IHI、燃費データ不正、20年以上船舶や鉄道など4361台 (朝日・3面)

●ガソリン、2週間ぶり値上がり (産経・10面)

●世界の空港、トップ5に羽田、成田(産経・10面)

●ヤマダ、現代自のEV販売、直接仕入れコスト抑制 (日経・1面)

●旭化成、北米のEVに照準、カナダで電池材料優遇施策が追い風 (日経・15面)

●北京モーターショーきょう開幕、外資、EV新型で巻き返し (日経・15面)

●スバル、「レガシィ」米生産終了へ(日経・15面)

《福田俊之》

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