イタリアの恋人:アルファロメオ『ジュリエッタ』が誕生70周年を迎える

ジュリエッタ・スプリント
ジュリエッタ・スプリント全 35 枚

1954年4月21日、トリノモーターショーで初公開されたアルファロメオ『ジュリエッタ・スプリント』(Alfa Romeo Giulietta Sprint)は、“ラ・フィダンザータ・ディタリア”=イタリアの恋人として親しまれ、今年で70周年を迎えた。ジュリエッタは、女性の名を冠した初めてのアルファロメオだ。

【画像全35枚】

ジュリエッタ・スプリントは、自動車史に名を刻むモデルだ。発表されたトリノモーターショーの初日から数日で約2000台の注文が集まり、当時としては驚異的な数字を記録した。発表の2週間前には、ポルテッロ工場の中庭で関係者向けのプレビューが行われ、シェイクスピア劇のロミオとジュリエットに扮した2人の俳優がヘリコプターから飛び降りるという演出がなされた。

1950年代初頭、アルファロメオは、ファリーナ、ファンジオによって1950、51年と2年連続F1チャンピオンを獲得した後、「技術、性能、スタイル」というアルファロメオの成功要因を維持しながら、より幅広い消費者に訴えかけるモデルの導入を考えていた。その結果、低く構えたミニマリスティックな側面と、後方に大きく傾斜したラップアラウンド・リアウィンドウを持つ、2ドアファストバッククーペが誕生したのだった。デザインは、アルファロメオ・チェントロスティーレの原案から、フランコ・スカリオーネ率いるベルトーネが開発した。

高性能コンパクトクーペ市場に参入したアルファロメオは、このジュリエッタ・スプリントによって技術と性能について市場の基準を書き換えた。ジュリエッタのエンジンは、当時の量産エンジンとしては革新的な全軽合金製の1290ccツインカム4気筒で、最高速度約170km/hを実現し、上位カテゴリーの車両に匹敵する性能を持っていた。特に「ヴェローチェ」バージョンは、1956年のミッレミリアでクラス優勝を果たすなど、世界中のサーキットや道路で数々の勝利を収めた。

スプリント(クーペ)からはすぐに派生車が誕生した。ベルリーナ(セダン)、ピニンファリーナがデザインしたスパイダー(ヴェローチェ仕様もあり)、ベルトーネによるスプリント・スペチアーレ、ザガートによるSZなど、さまざまなバリエーションが加わった。「プロミスクア」と名付けられたステーションワゴンも企画されていたという。

ジュリエッタ・スプリントは、経済成長の象徴として消費者に受け入れられた。アルファロメオで初めて6桁の生産台数を達成し、ポルテッロ工場から10万0001台目のジュリエッタ・セダンが生産ラインを出た際には、映画監督フェデリコ・フェリーニのミューズで妻であるジュリエッタ・マシーナが現場を訪れ、生産を祝った。1954年から1965年までに、全バリエーション合わせて17万7690台が生産された。

時を経ても色褪せない魅力をもつジュリエッタ・スプリント。70周年を祝うため、アルファロメオ・チェントロスティーレは特別なロゴを制作している。

《高木啓》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【レスポンス読者試乗会】乗って初めて見えた、4組の試乗者が語る日産『エクストレイル』のリアルPR
  2. 「EVは気になる。でも不安…」その声にヒョンデが出した「4つの答え」とは? 残価保証40%に返品保証も…『インスター』に乗って聞いて見えた新しいEVの選び方PR
  3. ホンダ『WR-V』改良新型、インドで先行発表…新グリルとLEDで表情変化
  4. 【日産 エルグランド 新型試乗】クラスの基準を塗り替える、高級ミニバンとして隙のない完成度…諸星陽一
  5. ホンダとGUがコラボ! 80~90年代レトロなモトクロスの世界観を最新アパレルに
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. EU「欧州製EV」優遇へ、産業加速法を審議---売れるEVと売れないEV
  2. 全ての体格に対応する後席用新型シートベルト、ZFが2025年央発売へ
  3. スカニア、中国で新事業開発組織「VNBC」設立…電動・自動運転輸送を加速へ
  4. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 欧州自動車産業の次の一手、欧州の現場で何が起きているのか~EV減速局面・SDV/AIへの移行・中国勢の浸透~
  5. インド国産化の進め方、事業の核の築き方【インド・新自動車大国の素顔】
ランキングをもっと見る