EVのバッテリー火災から乗員を守る、安全システム発表へ…スイスのエリコン

エリコンのEVバッテリー向けヒートシールドのイメージ
エリコンのEVバッテリー向けヒートシールドのイメージ全 1 枚

スイスのエリコン(Oerlikon)は6月18日、ドイツで開幕する「The Battery Show Europe 2024」において、EVのバッテリー火災に対応した安全システムを初公開する。エリコンが6月6日に発表した。

これには、先進的なヒートシールド、ガスガイドシステム、セルセパレーターが含まれる。バッテリー火災が発生した場合、これらのコンポーネントはバッテリーの熱保護や電気的・機械的強度を向上させ、乗員の命を守ることができるという。

高性能バッテリーシステムにおける熱暴走は大きな課題であり、車両の損傷や乗員の危険を引き起こす可能性がある。

エリコンの製品ラインナップは、ヒートシールドやガスガイドコンポーネントからセルセパレーターまで、すべての重要なコンポーネントをカバーしている。これらは高い耐熱性を持ちながらも、薄くて軽量。バッテリーの高電圧インフラを電気的および熱的に絶縁し、バッテリー火災が乗員エリアに広がる可能性を早期に減少させるという。

エリコンは、国連のEV安全規則(GTR 20)の基本的な規制基準を満たすだけでなく、各国の厳しい要件にも対応している。さらに、「Stop/Zero TP」やリンプホーム機能などのコンポーネントも用意している。

他のメーカーとは異なり、エリコンは標準仕様の製品を用意せず、バッテリーの安全要件を考慮したカスタマイズソリューションを開発している。すべてのコンポーネントは3D成形可能で、バッテリーシステムと車両の設計に適合させることができる。

同社の熱絶縁ソリューションは、すべての安全コンセプトと市場に出回っているバッテリータイプに対応しており、業界の新しい標準を確立している。材料科学の深い知識と自動車市場での長年の経験により、同社のエンジニアは新しい特性を持つ耐熱材料を作り出している。

《森脇稔》

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