1800馬力の電動ハイパーカー、ブガッティ『トゥールビヨン』発表…ヴェイロン 後継車は2026年発売

ブガッティ・トゥールビヨン
ブガッティ・トゥールビヨン全 5 枚

ブガッティは6月21日、新世代の電動ハイパーカー『トゥールビヨン』(Bugatti Tourbillon)を欧州で発表した。

この新型車は、新開発の8.3リットルV型16気筒ガソリン自然吸気エンジンに、コスワースの協力で開発された電動アクスルを組み合わせる。トータルで1800hpを発揮し、そのうち1000馬力は内燃エンジンから、800hpは電動モーターから供給される。これは、8.0リットルW16エンジンと4つのターボチャージャーを搭載した『ヴェイロン』の1001hpを大きく上回る性能だ。

電動モーターは蓄電容量25kWhの800Vバッテリーで駆動される。バッテリーは車両のセンタートンネルと乗員の背後に配置された。四輪駆動とトルクベクタリングにより、優れたトラクションと機動性を発揮する。フロントアクスルには2つの電動モーターが、リアアクスルには1つのモーターが搭載され、電動パワートレインシステム全体で800hpを引き出す。電動モーターは最大2万4000rpmで回転し、シリコンカーバイドインバーターを統合している。

軽量構造と瞬時のトルクを発生する電動モーターにより、トゥールビヨンは驚異的な性能を実現した、と自負する。また、効率的なパッケージングと先進的な空力設計により、ヴェイロンに比べて排出ガスを大幅に削減しながらも、走行体験を向上させている。EVモードでは、最大およそ60kmのゼロエミッション走行を可能にした。

トゥールビヨンは新開発のシャシーとボディ構造を採用している。新世代のT800カーボンコンポジットを使用し、バッテリーをモノコックの構造部品として統合するなど、数々の軽量化技術を取り入れている。前後のフレームには低圧薄壁アルミ鋳造と3Dプリントされた構造ブレースが使用され、ヴェイロンよりも大幅に軽く、剛性が高いという。

新型シャシーには、前後にアルミ製のマルチリンクサスペンションが組み込まれており、従来のダブルウィッシュボーンスチール構造から進化している。AIが開発した3Dプリントの中空エアフォイルアームを採用し、車両のダイナミクスと空力性能を追求している。

トゥールビヨンは現在、テスト段階に入り、プロトタイプが道路上で試験されている。2026年に250台限定で発売され、価格は380万ユーロから。フランス・モルスハイムのブガッティアトリエでハンドビルドされる予定だ。

《森脇稔》

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