自動速度制御装置が欧州で義務化へ、70以上の自動車ブランドがHEREの地図データで対応

着雪で隠された速度制限標識もHEREの地図データが検出
着雪で隠された速度制限標識もHEREの地図データが検出全 1 枚

欧州で「インテリジェント・スピード・アシスト(ISA)、自動速度制御装置」の義務化が完全実施に向けて進んでいる中、HEREテクノロジーズ(以下、HERE)は7月1日、33の自動車メーカーの70以上のブランドが、HEREの地図データを採用した、と発表した。

HEREの地図作成技術「UniMap」は、大量のリアルタイム車両センサーおよびプローブデータをAIプロセスで迅速に融合し、常に最新の速度制限情報を配信する。

HEREのISA地図は、EUのISA規制に準拠するためのソリューションとして、自動車メーカーにとって最適な選択肢となっているという。7月6日から、この規制はEU内の全ての新規登録車両に適用される。HEREは、トヨタ、レクサス、BMW、JLR(ジャガー・ランドローバー)、ビンファスト、IVECO、スカニアなどを含む33の乗用車および商用車メーカーと契約を結び、ISAの厳格な認証プロセスをサポートしている。

ISAは、リアルタイムの速度制限データを利用して警告を発し、運転者に法定速度を超えないよう促す車載システムだ。7月以降、EUで新たに導入される全ての乗用車および商用車のタイプとモデルには、ISAソリューションが装備される必要がある。さらに、正確な速度制限情報を装備することで、欧州新車アセスメントプログラム(NCAP)における安全アシストスコアを向上させることができる。

HEREのISA地図は、カメラベースの速度制限標識認識技術を強化し、包括的なISAソリューションを提供する。HEREは、全ての道路に対して最新かつ正確な速度制限情報を配信し、カメラのみのアプローチの限界を克服する。例えば、カメラベースのシステムは、EUの速度制限の60%以上を占める暗黙の規則や標識のない道路規則を検出するのが難しい。また、速度制限標識が草木の成長や雪、インフラの維持不足などで隠れることも多い。

HEREのUniMapは、AIと機械学習(ML)を活用して、車両カメラセンサー、大規模なGPS装備車両のフリート、地方自治体などからの大量のデータを統合し、検証する。これにより、常に更新された速度制限情報を発信する。特に速度制限情報については、監督ありおよび監督なしのML能力を使用して、カメラセンサーやライダー(LIDAR)データから速度制限を抽出する。

UniMapを通じて、HEREは現在、推定4400万台の接続された車両からのライブセンサーデータと、毎日収集される数十億のGPSデータポイントを取り込み、150以上のプローブデータ提供者からのデータを活用している。このデータは、HEREの地図およびオンラインサービス、接続ナビゲーション、先進運転支援システム(ADAS)、自動運転ソリューション、そしてHERE ISA地図に力を与えている。

《森脇稔》

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