【日産 アリア B9 新型試乗】雪道でなくとも安心感ある「e-4ORCE」の洗練と素性のよさ…島崎七生人

日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア
日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア全 13 枚

試乗車は日産『アリア』の「B9 e-4ORCEプレミア」。今年3月、NISMOとともに発売開始となったシリーズの上位グレードで、91kWhの高出力を発揮する駆動用バッテリーを搭載。前後2モーターの4WD車で、一充電走行距離はWLTCモードで560kmだ。

ちなみにB9にはほかに、同じe-4ORCEのベース車(610km)、FFのB9(640km)があり、カッコ内に示したとおり、カタログ上の一充電走行距離の数値には差がある。

B6には登場時に試乗済みだったので、B9の広報車の準備が整ったと聞き、早速、借り出して数日を過ごしてみた。すると、よかった。

◆雪道でなくとも安心感あるe-4ORCEの洗練と素性のよさ

日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア

とくに『リーフ』以来の知見、蓄積がある日産のバッテリーEVだけに、ことパワーマネージメントに関しての自然さが心地いいドライバビリティを実現している点は、改めて実感するこのクルマの大きな魅力。走行モードの切り換えも可能だが、ごく自然に穏やかな加減速操作が可能なところは、犬を乗せていても気を使わずに済む(乗車中、本人はいつも以上に“居眠り”をしていた)。走行中の静粛性の高さもいうまでもない。

筆者はバッテリーEV試乗時は“節電”を第一に考えるので、ほとんどアクセルを深く踏み込まないが、試しに強い加速を確認すれば、もちろん、モーターならではの立ち上がりからの力強いトルクによる加速も体感できる。

日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア

乗り味は「導入時に対して見直している」との話だったが、試乗車は20インチタイヤを装着していたため、初期のB6の19インチから、路面からの突き上げ等がどれほど緩和されたかは実感しにくかった。どちらかというと、2210kgの車重を前提にした足まわりの設定の印象。

その代わり、何も雪道でなくともコーナリング中のライントレース性がズバ抜けて高く安心感が高いところは目を見張るばかりで、e-4ORCEの洗練されたトラクション制御と併せ、スポーツドライビングでなくても心ゆくまで走りを楽しませてくれる素性がこのクルマにはある。

◆インテリアのデザインへの“愛”を感じる

日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア

素性といえば、品のいい内外観のデザインも心地いい。とくに上質なインテリアのデザインへの“愛”は強く感じるところ。一方でハプティクススイッチと呼ぶインパネのスイッチは、押せば確かに指先にフィードバックが返ってくるが操作には狙いを定める必要があったり、セレクタースイッチがコンソールごと電動で前後するのも不思議といえば不思議。

また運転席のドア肘掛けが中央側のそれより高さが低かったり……と、そういった部分のユーザーへの愛がより深められたならなおいい……とも思う。前後席とも床面がフラットで居住性は相当に高い。

日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア日産 アリア B9 e-4ORCEプレミア

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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