米ユタ州で「リチウム」生産を開始、世界初のモジュラー方式で市場投入を迅速化

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International Battery Metals(以下、IBAT)は7月11日、米国ユタ州の世界初のモジュラー式「直接リチウム抽出(DLE)」プラントから、リチウムの生産を開始した、と発表した。

この施設はユタ州ソルトレイクシティ郊外に位置し、US Magnesium (以下、US Mag)の施設に併設されている。IBATのモジュラー式DLEシステムは、マグネシウム生産から得られる副産物の塩化マグネシウム/塩化リチウムの塩水からリチウムを抽出している。現在、約1エーカー(約4047平方メートル)の敷地に設置されており、リチウム塩化物をUS Magに供給している。次のステップとして、同じDLEモジュラー式プラットフォームに追加のカラムを設置し、生産能力を大幅に拡大することを目指している。

IBATの特許技術には、市場投入の迅速化という利点がある。モジュラー設計により、建設開始から生産開始まで約18か月でリチウムを市場に投入できる。従来のDLEプラントでは5~7年かかるという。

また、低コストも特長で、業界で最も低い資本費用と運営費用を実現する。スケーラブルで柔軟な点もメリットとなり、小さなフットプリントで、世界中のさまざまなリチウム塩水資源に設置可能。モジュールを追加することで容易に拡張できる。高品質リチウムは、独自の結晶構造を持つ吸着剤でリチウムイオンを選択的に抽出し、EVなどのバッテリー向けリチウムを生産する。

持続可能性の面では、化学薬品を使用せず、塩水源からリチウムを抽出し、リチウムを除去した塩水を元の場所に戻すことで水の回収率が98%に達し、水資源を保護する。

IBATは、大手自動車メーカー、石油・ガス大手、塩水資源所有者と協議を進めている。IBATは、塩水からリチウム化合物を環境に配慮した方法で抽出する技術を開発するテクノロジー企業。特許取得済みのモジュラー式DLEプラントにより、迅速な展開が可能であり、初期コストを大幅に削減し、運営コストも低減する。

《森脇稔》

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