航続が短い? ポルシェ『718ボクスターEV』プロトタイプの車内を撮影…スポーツカーとして差異化

ポルシェ718ボクスターEVプロトタイプ
ポルシェ718ボクスターEVプロトタイプ全 34 枚

ポルシェが開発中の『718ボクスターEV』の最新プロトタイプをカメラが捉え、内部も鮮明に撮影した。航続が252kmと表示されているのは量産仕様では改善されるはずだが、それより気になるのは発売スケジュールだ。

スクープ写真:ポルシェ『718ボクスターEV』プロトタイプ

電気自動車の需要が鈍化しているとはいえ、ポルシェは内燃エンジンを搭載する『マカン』と「718」シリーズを、バッテリー電気自動車に置き換えることに固執している。ゼロエミッションのマカンはすでに生産されているいっぽうで、『718ボクスター』と『718ケイマン』のバッテリー電気自動車の登場は、早くても2025年まで待たなければならないようだ。

アルプス山中で捉えた718ボクスターEVのプロトタイプには、偽装が厳重ながら、『タイカン』と『ミッションR』コンセプトの要素を見ることができる。フロントバンパーのアクティブ冷却フラップは、「992.2」シリーズから移植されているようだ。足回りには、ピレリの20インチと21インチのタイヤが装着されており、サイドウォールには超高性能サマータイヤ「P Zero R」と書かれている。

キャビンを覗くと、完全新設計されたギアシフターが、ダッシュボードではなくセンターコンソールにとどまっていた。改良されたタイカン、カイエン、そして新型マカンでは、シフターはステアリングホイールとタッチスクリーンのインフォテイメントシステムに隣接しているので、718ボクスターEVはスポーツカーとして差別化されているようだ。

フルデジタル・インストルメントクラスターには、航続が252kmと表示されており、その下のバッテリー残量の表示を見るとほぼ満充電であることがわかる。最新EVスポーツカーとしては少し物足りない距離だが、これが量産仕様ではなくプロトタイプであることを忘れてはならない。

ダッシュボードのセンタースタックには、2つの大きな通気口、インフォテインメントシステム、トグルスイッチのような銀色のボタンがあり、中央にハザードランプを装備、またその下には、HVACシステムのデジタル表示、ボリュームノブ、キャンバストップ開閉用の2つのボタンが確認できる。

量産型のプラットフォームは、マカンでも採用されている「PPE」を採用するが、718シリーズのために改設計されたと伝えられる。いずれにせよ、後輪駆動の基本グレードと、デュアルモーター駆動の高出力グレードが提供されるのは間違いない。

疑問にすべきは、高電圧バッテリーがどこに搭載されるのか、ということ。マカンと「J1」ベースのタイカンはどちらも床下にバッテリーを備えており、その結果、低重心になっている。ミッションRコンセプトでは、内燃エンジン搭載の718と同様の前後重量配分を実現するために、後部座席のすぐ後ろに搭載された。重量配分はミッドエンジン設計において重要な要素であり、現行718ボクスターよりも重いEV仕様ではさらに重要となる。

ポルシェは、自動車市場の電動化への移行が予想よりずっと長くかかっていると認めている。以前は、2023年までに販売の80%がEVになる可能性があるとしていたが、現在は2030年に修正されている。はたして718ボクスター/ケイマンEVは当初の予定通り2025年に登場するのか。現段階でケイマンEVのプロトタイプが発見されていないことも気がかりだ。

《APOLLO NEWS SERVICE》

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