人生を変えるGTかもしれない、ある意味もっとも刺激に満ちたマセラティ グランカブリオの世界観とは?

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マセラティ グランカブリオ
マセラティ グランカブリオ全 33 枚

今夏いよいよ、日本市場に導入される「マセラティ グランカブリオ」。V6/3.0リットルツインターボのネットゥーノ エンジンを搭載する4WD、かつ4シーターである点は昨年デビューした「グラントゥーリズモ」、つまりクーペ版と同じだ。

ところがルーフをただ切り落としただけでなく、世界観からもたらされるエクスペリエンスごと、異なるGTカーとなった点は、さすが110年もの歴史をもつ車造り巧者、マセラティの面目躍如といえる。

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◆マセラティ「グランカブリオ」が持つ“シンプルな美しさ”とは

まず外観、「グランカブリオ」ならではの“シンプルな美しさ”に触れてみよう。グラントゥーリズモと並行開発されたとはいえ、フロント周りと左右ドア以外、ボディパネルはすべて別仕立て。補強やソフトトップを下ろした際の頭上の開放感を創り出す関係で、Aピラーすら別物だ。

マセラティ グランカブリオマセラティ グランカブリオ

とはいえフロントマスクはクーペ同様、縦長の左右ヘッドライトと水平でない、より低い位置にフロントグリル開口部がある顔つき。これは、大きなエンジンと大きなラジエーターグリルが高級車のデザインだった戦前車の時代と一線を画し、空力をより追求してノーズを低くした1940~50年代のスポーツレーシングカーやGTが始めたカタチでもある。このデザインコードがひと周り以上した現在、いわば権威的であることより、今日のマセラティがGTという自らのルーツを本歌取りし、クラシックモダンを掲げるがゆえの顔つきだ。

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その決定的要素のひとつが、市販車用のアルミニウム成型パーツとしておそらく世界最大という、フェンダーとボンネットを一体化させた“コファンゴ(コファノ=ボンネット+パラファンゴ=フェンダーを合わせた造語)”。マセラティは、1960~70年代からイタリアの有名カロッツェリアで経験を積んだクレイモデラーをインハウスに迎え、その職人技と精密プレス技術を融合させることで初めてコファンゴを実現可能にしたというのだ。

目的は無論、ボディパネルの煩雑な分割線を抑えつつ、マセラティらしいロングノーズを包み込むため。いわばディティールの神は、細部ではなく流麗なプロポーションという全体に宿るのであって、職人技はアクセサリー的どころか必要不可欠の技術的要素なのだ。

◆静的にもにじみ出るグランカブリオならではのオーラ

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これらを前提にソフトトップを開け放ったグランカブリオに向き合うと、そのクラシックさと同時にモダンさに合点がいくはず。黄金律に裏づけられた堂々たる肢体を誇る一方で、キャビンをぐるりと囲むように巡らされたモールは、クロームではなく艶のある黒。4座のスペースとリア周りを、クルーザーのキャビンとデッキのように引き立たせる。

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ソフトトップを閉めた際も、ボンネットからトランクリッドに至るルーフラインの繋がりはきわめて滑らかだ。アンテナをルーフ上に設けずトランクリッド内に埋め込み、クーペより低い全高1365mm(欧州発表値)となるため、クォーターウィンドウを含め、きわめて美しい輪郭を作り出す。そのシャシー&ボディは65%がアルミニウムでマグネシウムや超高張力スチールなどを適材適所に用いるが、アンテナを機能させるためにトランクリッドだけがグラスファイバー製だ。無論オープンボディとして必須の補強を入れつつも、車重はクーペ比で約100kgの1895kg(EU認証値)、前後車軸の重量配分は51:49というフロントミドシップとして理想的なバランスに落ち着いている。

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加えてグランカブリオをイタリアンGTの白眉たらしめるのは、はまり込むような着座感ながらタイト過ぎず、大人2人を迎え入れられるリアシートの質の高さだ。そもそも室内全体を覆うナッパレザーやステッチの質も高い上に、エアコンのベンチレータ―、ドリンクホルダーとUSB-Cまで、2座分がセンターコンソール上に確保されるなど、ホスピタリティは万全。また左右フロントシートの首元にはそれぞれネックウォーマーが備わる。その操作はダッシュボード中央の12.3インチのセンター、並びに8.8インチのコンフォートというデュアルタッチディスプレイ構成のうち、後者で行う。

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これはソフトトップ開閉やクライメートコントロールと同じく、コンフォートディスプレイ内の右列タブにまとめられ、「暑い/寒い」の体感が直観的に操れるインターフェイスだ。ソフトトップは画面をスワイプ&ホールドするか、あらかじめ設定すればジェスチャーコントロールでも手軽に操作でき、開けるのに約14秒、閉めるのに約15秒、走行中でも50km/h以下なら作動する。ソフトトップは格納時もトランク内の上側にコンパクトに畳まれるため、131~最大172リットルの荷室は天地方向こそ短いが、薄マチのスーツケース程度ならオープン時も干渉されない。

あれこれゴテゴテとこれ見よがしにトッピングするでなく、必要なものを見えないようスマートにまとめたからこそ、エレガントさと実用性のバランスを保っているのだ。

◆その走りは優れた楽器にも似て、感情を迸らせる

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それでもグランカブリオ最上のクオリティは、動的質感の中にある。650Nm・550psを発揮するネットゥーノをオープンエアで謳わせれば、クーペ以上にダイレクトに、その鼓動は感じられる。そもそもエンジンパワーをフル加速受け身だけで感じるでなしに、能動的にネットゥーノの繊細な調べを奏でられることは、およそドライビングを嗜むドライバーにとって無上の歓びだ。

その援けとなるのが、VDCM(ヴィークル・ドメイン・モジュール・コントロール)。これはグラントゥーリズモとグランカブリオから塔載された統合制御システムで、パワーユニットから駆動、シャシー制御まで、もはや反射ではなく予測制御によってヴィークルダイナミクスを司る。だからドライブモードの変更は、単なるサスペンションの硬軟やパワートレインのみならず、リズム感そのもの、乗り手が望むテンポそのものに符合する。

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芸術と文化の宝庫であるイタリアでのクルージングはクラシックを聴きながら優雅な時を過ごす。高速道路をゆったり快適に走るなら、“コンフォート”は“アダージオ”そのものだ。左右とクォーターウィンドウを立てれば、車内での会話を邪魔する巻き込み風やノイズはほとんど感じられない。ワインディングもこなせる程度にスポーティな“GT”モードは“アンダンテ”で、より車体ロールを抑えて素早いリズムに移行したければ“アレグロ”相当の“スポーツ”が心地いいし、ESCオフをも可能で車高もサスペンションも一段と締まる“コルサ”から先は“プレスト”か“ヴィヴァーチェ”的に、アジリティを増す切れ味あるモードが控える。

直噴エンジンは中回転域のトルクを利して走るタイプが多いが、ネットゥーノに関しては、それは一面でしかない。プレチャンバー燃焼機構を備えたショートストロークのこのエンジンは、6000rpm以上の領域で咆哮とキックをさらにひと伸びさせる。かたや負荷の少ない局面では片バンクを休止させさえする。疾駆させた時に得られる手応えが、クーペほどパフォーマンス志向でなくても、ゴージャスで寛容なGTカーとしてふるまうことのできる、代えの利かない何か、なのだ。

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ドライ路面で走らせる限り駆動力配分はほぼFRのまま。V6のコンパクトさもあって素直なハンドリングと、猛々しくも効率よく後輪が蹴り出す感覚は、いい意味で電子制御4WDに乗せられている気がしない。むしろ乗り手自ら指揮するリズムに、躍動感を増幅して返してくれる。にもかかわらずソフトトップを閉じれば、クーペライクな快適性や遮音性は確保できる。それがグランカブリオの開かれた対話性、社交的にして洗練された世界観であり、もっといえばイタリアの貴族社会の香りを今に伝えるところだ。ちなみに車載オーディオシステム、ソナス・ファベールもグランカブリオ独自のサブウーファー塔載位置とチューンによって、オープンエア時も音像がしっかり定位する。

グランカブリオは、旅や人生を優雅に楽しむために生まれた車、といって過言ではない。素晴らしい音源や画像で見聞きしても伝わらないような息吹や表情は、外から与えられる強い刺激ではなく、むしろ自分の五感を通じて創り出すエクスペリエンスの中にあることに、当初は驚きこそすれ、深い満足感に変わっていくはずだ。

8月24-25日の週末、全国のマセラティ・ディーラーにて催されるデビューフェアで、ぜひ体験してみて欲しい。

◆マセラティ オリジナルのギフトが当たるキャンペーン

マセラティ グランカブリオの発売を記念して、毎回応募者が多数集まるギフトキャンペーンが2024年8月5日から8月19日まで開催される。

今回のオリジナルギフトは『マセラティ サーモボトル』。マット塗装でアウトドアでも活用できるハンドル付のサーモボトルが5名に当たる。応募フォームは下記より。

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《南陽一浩》

南陽一浩

南陽一浩|モータージャーナリスト 1971年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・服飾等の分野で日仏の男性誌や専門誌へ寄稿。現在は活動の場を日本に移し、一般誌から自動車専門誌、ウェブサイトなどで活躍している。

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