“人馬一体”とは? ロードスター35周年:マツダの名車の軌跡

マツダ / ユーノス・ロードスター
マツダ / ユーノス・ロードスター全 7 枚

マツダのライトウェイトスポーツカー『ロードスター』が誕生35周年を迎えた。1980年代中盤に企画されたこの車は、1989年にユーノス『ロードスター』として初めて市場に登場。以来、2代目「NB」、3代目「NC」、そして4代目「ND」型へと進化を遂げ、累計生産台数は100万台を超える。

新刊『マツダロードスターの30年』(著者:三浦正人、発行:三樹書房)では、開発者の証言や進化のプロセスを詳細に解説している。特別仕様車の変遷やイベント記録も網羅されており、海外から届いた美しい写真も多数掲載されている。これにより、ロードスターが世界中でどのように活躍しているかが一目でわかる。

「ロードスター」という名称は、2座席のオープントップスポーツカーを示す一般名詞である。また、海外市場での車名『MX-5』の「MX」は、マツダのレシプロエンジン搭載スポーツカーを表す記号であり、北米でのペットネーム『ミアータ』は「ご褒美」や「報酬」を意味するドイツ語の古語に由来している。

本書によると、初代NAロードスターの開発主査を務めた平井敏彦氏は、「人馬一体」という開発テーマを掲げた。この言葉は、日本古来の伝統武術「流鏑馬(やぶさめ)」からヒントを得たもので、車と人が一体となる感覚を追求したものである。平井氏は、「クルマと人の一体感、適度な緊張感、Fun to Driveな走り感、ダイレクト感が“人馬一体”であり、それが人々の心に訴える“感性”の問題である」と述べている。

この「人馬一体」哲学は、2代目NB、3代目NC、そして4代目NDロードスターにも継承されている。さらに、SKYACTIV技術と魂動デザインを取り入れ、マツダブランド全体を象徴するフィロソフィへと発展している。

『マツダロードスターの30年』『マツダロードスターの30年』

本書は書名が示す通り、ロードスター誕生30周年を記念して刊行された。35周年を迎え、これを記念してしたカバー装丁が施された新装版が刊行された。


『マツダロードスターの30年』
編者:MZRacing
著者:三浦正人
発行:三樹書房
体裁:B5判・上製・240頁(オールカラー)
定価:4400円(本体価格4000円+税)
発売:2024年6月30日

目次抜粋
はじめに
第1章 夜明け前
第2章 初代NAロードスター
第3章 2代目NBロードスター
第4章 3代目NCロードスター
第5章 4代目NDロードスター
「ロードスターは、もはやマツダのものではありません」
第6章 ロードスターとモータースポーツ
「デザイナーとして、ドライバーとして、私のロードスター観」
第7章 世界の道を行くロードスター
第8章 英語版各世代ロードスター解説
「マツダロードスターの30年」刊行に寄せて

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「戻せばOK」は通用しない! 現代チューニングの合法ルールとは~カスタムHOW TO~
  2. 日産がエルグランドなど新型4車種投入へ…NISSAN START AGAIN
  3. ショッピングセンターに320台の名車・旧車が大集結…第5回昭和平成オールドカー展示会
  4. 「通勤とか買い物にちょうどよさそう」オシャレ系特定小型原付『ウォンキー』にSNSでは反響
  5. 「カッコよくていい!」中国トヨタの新型5メートル級EVセダンに日本国内からも熱視線!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. AI家電を車内に搭載!? 日本導入予定の新型EV『PV5』が大胆なコンセプトカーに
  2. 【学生向け】人とくるまのテクノロジー展 2025 学生向けブース訪問ツアーを開催…トヨタ、ホンダ、矢崎総業、マーレのブースを訪問
  3. EVシフトの大減速、COP消滅の危機…2024年を振り返りこの先を考える 【池田直渡の着眼大局】
  4. 住友ゴム、タイヤ製造に水素活用…年間1000トンのCO2削減へ
  5. トヨタ「GRファクトリー」の意味…モータースポーツのクルマづくりを生産現場で実現【池田直渡の着眼大局】
ランキングをもっと見る