「タイプ993」をベースに制作、幻のポルシェ・スピードスターの完成度

ポルシェ 911スピードスター(タイプ993)
ポルシェ 911スピードスター(タイプ993)全 5 枚

ポルシェは8月16日、『911』(タイプ993)ベースの「スピードスター」を発表した。タイプ993には存在しなかったスピードスターを、1台限りの特別モデルとして製作している。

「タイプ993」をベースに制作されたポルシェ 911スピードスター

ポルシェの歴史において、スピードスターは1954年から特別な存在だ。オープンドライブの楽しさと表現力豊かな走行ダイナミクスを兼ね備えたこのモデルは、短縮されたフロントウィンドスクリーンとリアリッドが特徴。しかし、911のモデル史には空白が存在する。1988年のGシリーズ終了後、ポルシェは1989年にタイプ964をベースにした2シーターを用意したが、タイプ993の第四世代にはスピードスターが存在しなかった。

ポルシェ 911スピードスター(タイプ993)ポルシェ 911スピードスター(タイプ993)

この空白を埋めるため、ポルシェ愛好家でデザイナーのルカ・トラッツィは、自身の夢をソンダーヴンシュプログラムを通じて実現した。結果として、彼の個人的なビジョンに基づく特別仕様車が誕生した。

ルカ・トラッツィは、ポルシェのソンダーヴンシュチームと共に3年以上をかけてこのプロジェクトを進めた。1994年製の911カレラカブリオレ(タイプ993)をベースにしたこの2シーターは、モントレー・カーウィーク2024で初公開された。

プロジェクトは、ポルシェのアーカイブを訪れることから始まり、スピードスターの歴史を深く掘り下げることでアイデアを生成した。ルカ・トラッツィは、自身のプロジェクトブックを持参し、明確なビジョンを持っていた。彼はプロジェクトチームの一員として、アイデアの実現過程を管理者の視点から積極的に関与した。

ポルシェ 911スピードスター(タイプ993)ポルシェ 911スピードスター(タイプ993)

この特別仕様車は、ルカ・トラッツィの愛犬オットーにちなんで名付けられた「オットーイエロー」に塗装されている。内装は黒のレザーに黄色の装飾ステッチが施され、シートの中央には黄色と黒のチェックデザインが配された。エンジン、シャシー、ステアリング、ブレーキシステムは911カレラRS(タイプ993)から流用されており、3.8リットルの空冷6気筒ボクサーエンジンは300psを発揮する。

ポルシェのソンダーヴンシュプログラムは、1970年代後半からの伝説的なプログラムを再解釈し、顧客と共に一台限りの特別な車を実現するもの。このオプションは、すべての年代のポルシェ車に対して用意され、ポルシェエクスクルーシブマニュファクチュールまたはポルシェクラシックの専門家によって実施される。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「日本バイクオブザイヤー2025」大賞はヤマハ『XSR125』、人気投票で決定
  2. “車内スマホ生活”を強力サポートする、パワフル「USBプラグ」の新作登場![特選カーアクセサリー名鑑]
  3. 【日産 フェアレディZ 新型試乗】まるで日本製のアメ車? そこはかとなくアメリカを感じる…中村孝仁
  4. 「さすが私が欲しいバイク」ヤマハの原付二種スポーツ『XSR125』が「バイクオブザイヤー2025」に、SNSではファン興奮
  5. 日産『GT-R』次期型はいつ登場? ハイブリッドスポーツとして最速2027年発表か
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る