プロドライブが「ラストマイル」貨物EVを発表、2028年生産開始へ

プロドライブが開発に参画したEV『EVOLV』
プロドライブが開発に参画したEV『EVOLV』全 6 枚

英国で9月4日、『EVOLV』という新しいコンパクトで高効率な「ラストマイル」電動四輪車が発表された。

プロドライブ・アドバンスト・テクノロジーとアストハイマー・デザインが共同で設計、エンジニアリング、プロトタイプ製造を行い、APCの支援を受けて1年で初のプロトタイプを完成させた。次のフェーズとして、両社は新会社のELM Mobilityを設立し、2028年に英国での生産を目指している。

プロドライブが開発に参画したEV『EVOLV』プロドライブが開発に参画したEV『EVOLV』

都市部でのクリーンエアゾーンの増加とオンライン販売の拡大に伴い、物流企業や小売業者は多用途でゼロエミッションの車両を求めている。現在の車両は信頼性、安全性、ドライバーの快適性、積載量の面で不足しているか、単に大きすぎて高価だとし、プロドライブとアストハイマーは、これらの課題を解決するためにEVOLVを開発した。

EVOLVは、L7eカテゴリー(バッテリーを除く重量600kg以下)の中で最も能力が高く、安全で効率的な四輪車を目指して設計された。全長3240mm、全幅1450mm、全高2150mm、バッテリー込みで重量850kgのコンパクトな車体に、4立法mの積載スペースを持ち、クラス最高の60%の車両容積を実現している。

この車両は、1.6mの高さのユーロパレットと300kgの積載量をメインの積載エリアに収容でき、サイドのスライドドアからアクセス可能。セカンダリーの積載エリアはリアの「バーンドア」からアクセスでき、1.2mの高さのユーロパレットと200kgの積載量を収容可能。この多用途性と積載スペースの大きさが、EVOLVをL7eカテゴリーで際立たせている。

安全性も重視されており、プロドライブはEVOLVをN1(小型バン)パッシブ安全性クラッシュ基準に適合させるために設計を行った。これには、前面、側面、ルーフのクラッシュ性能、歩行者への影響、ドライバーの安全要件が含まれる。

プロドライブが開発に参画したEV『EVOLV』プロドライブが開発に参画したEV『EVOLV』

EVOLVは、軽量で堅牢、シンプルな設計が特徴で、アストハイマーのデザイン哲学に基づいている。ドライバーの快適性を考慮したインテリア設計や、直感的なユーザーインターフェースも備えている。中央の運転席は、どちら側からでもアクセスしやすく、歩行者や自転車の視認性を高めている。

EVOLVは高い稼働率と低いメンテナンスコストを実現するために設計されており、7.8mの小回りの効くターンニングサークルを持つ。20kWhのバッテリーを搭載し、最大160kmの航続距離と最高速度80km/hを達成する見込みだ。

プロドライブとアストハイマーは、2024年9月4日にELM Mobilityを設立し、このコンセプトを生産に移行する計画を発表した。2028年には英国での生産開始を目指しており、ベース価格は約2万5000ポンド(約469万円)を予定している。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 「衝撃の価格」中国メーカーの大型3列シートSUVが話題に!「むしろ経営が心配」の声も
  3. 「復活まじうれし!」「全色欲しい」新型スズキ『GSX-R1000』発表に、SNSは話題沸騰!
  4. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  5. 新型ドゥカティ『パニガーレV2S』日本上陸に「スイングアームアームすげー」「日本じゃ全力は使えない」など驚きの声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る