世界最古のベントレー『Tシリーズ』、約60年ぶりにフルレストアで甦る

60年ぶりに甦ったベントレーTシリーズ
60年ぶりに甦ったベントレーTシリーズ全 5 枚

ベントレーは9月9日、世界最古のベントレー『Tシリーズ』が、59年ぶりに英国クルー本社に帰還した、と発表した。

世界最古のベントレー『Tシリーズ』

このシェルグレーのサルーンは、慎重に再整備され、オリジナルの部品と走行装置の多くを保持している。現在、この車はベントレーの105年の歴史を物語るヘリテージコレクションの一部として展示されている。

Tシリーズのシャシー番号SBH1001は、1965年のパリサロン・ド・ロートでのモデル発表後、会社の試験車として使用され、当時のプレス報道にも登場した。長期間保管されていたこの車は、発見時には数十年にわたり走行しておらず、内装を含むいくつかの重要な部分が欠けていた。しかし、この車が最初のTシリーズであり、同時にロールスロイス『シルバーシャドウ』の初号機でもあることから、再整備が決定された。

60年ぶりに甦ったベントレーTシリーズ60年ぶりに甦ったベントレーTシリーズ

ベントレーの見習い技師たちが解体と評価を開始し、その後、クラシックベントレーの保存と修復を専門とするP&Aウッドのチームに再整備が託された。プロジェクトは共同創設者アンドリュー・ウッドの娘、ルイーズ・ウッドが指揮し、コーチワークマネージャーのデイブ・ロウがサポートした。

Tシリーズの主要な駆動系要素は驚くほど良好な状態で、エンジンは15年ぶりに始動し、重点的なサービスのみが必要だった。ギアボックスも軽微な調整で済み、リアアクスルも新しいシールが必要なだけだった。

しかし、ダッシュボードや内装トリム、配線の破損、リアサブフレームの腐食、過去の低品質な事故修理など、多くの課題があった。チームは、寿命を迎えたドナー車両を調達し、初期モデルであることを確認した上で、細部に至るまで慎重に修復を行った。

60年ぶりに甦ったベントレーTシリーズ60年ぶりに甦ったベントレーTシリーズ

塗装作業も大規模なもので、事故修理の痕跡や不均一なパネルギャップが明らかになった。最終的に、車両全体に2kハイビルドプライマーを複数回塗布し、乾燥後に慎重にサンディングを行った。

このTシリーズは、元のプレスオフィスの登録番号1900 TUとともに、ヘリテージコレクションの最新の追加車両として新たな章を迎える。クルーのベントレーキャンパスで永久展示され、必要に応じて走行可能な状態で維持される。

1958年に設計が始まったTシリーズは、ベントレーとロールスロイスの最初のモノコック車であり、1965年には革命的なエンジニアリングの例として称賛された。初代Tシリーズは1868台が生産され、ほとんどが4ドアサルーンだった。

《森脇稔》

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