データ改ざんのJR貨物、全列車の運行を停止、宅配便などに影響も[新聞ウォッチ]

データ改ざんのJR貨物、全列車の運行を停止、宅配便などに影響も(写真はイメージ)
データ改ざんのJR貨物、全列車の運行を停止、宅配便などに影響も(写真はイメージ)全 1 枚

大型台風や大地震などの未曽有の自然災害ならともかく、データ改ざんなどの不正問題で全ての貨物列車の運行がストップするというのは前代未聞である。

JR貨物では、列車の車輪に車軸を通す作業で、日本産業規格(JIS)で定められた基準値を超える場合は、基準値内に収まるようにデータを改ざんするなどの不正が発覚。対象は564車両に及び、基準値を超えると車軸に傷がつき、強度が弱まる恐れがあり、最悪の場合は脱線につながるため、9月10日には全ての貨物列車の運行を一時停止した。

きょうの各紙も「JR貨物が運行停止、ヤマトなど物流に遅れ」などと1面や社会面に取り上げている。全面停止は極めて異例で同日午後5時ごろから順次、運行を再開したが、ヤマト運輸と佐川急便は地域によって荷物の配達に遅れが生じるとも発表。長距離便を中心に全国の物流網に影響が出始めているという。

ヤマト運輸では、関東と北海道・九州の間を運ぶ荷物の一部で到着が1日以上遅れる見込みで、トラックなどへの切り替えも検討するほか、佐川急便は、全国での配送に遅れが生じる恐れがあるとしている。さらに、日本郵便も、配送日数が1週間程度と余裕がある荷物で鉄道輸送を利用しており、運行停止が長期化すれば影響が出る可能性があるとも伝えている。

一方、国土交通省は不正のあった輪西車両所(北海道室蘭市)、川崎車両所(川崎市)、広島車両所(広島市)に立ち入り、鉄道事業法に基づく特別保安監査を開始。従業員からの聞き取りなどで実態を解明するほか、複数の現場で不正が繰り返された背景を調べるなどして、JR貨物に対して行政処分を検討するという。

トラック運転手が不足する物流の「2024年問題」では、輸送手段をトラックから鉄道へ切り替える動きも加速しているが、それを担うJR貨物によるデータ改ざんは物流問題の解消へ向かうどころか、信頼を損なうほどの由々しき事態で足を引っ張りかねない。

2024年9月12日付

●円高進行一時140円台、株7日連続下げ(読売・2面)

●VW従業員雇用保障協約を破棄、独工場の閉鎖検討 (読売・9面)

●チャイルドシート中学生でも必要?「身長140センチ未満」→「150センチ未満」JAFが目安引き上げ、道交法では6歳未満に義務(朝日・29面)

●JR貨物全列車一時停止、データ改ざん (産経・1面)

●社有車の脱炭素化推進、燃料使用量 営業車・二輪に報告義務 (日経・1面)

●原油安「ウクライナ前」水準、貿易赤字・円安に歯止め、ガソリン補助金出口に道 (日経・2面)

●中古車登録・届け出、8月5%減(日経・13面)

●ガソリン店頭9週ぶり上昇、174.5円、値動きは小幅 (日経・17面)

《福田俊之》

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