豊田章男氏も祝辞! NISMO 40周年記念レセプションの熱い瞬間

ニスモが参戦しているフォーミュラE(左)とスーパーGT500(右)のマシン
ニスモが参戦しているフォーミュラE(左)とスーパーGT500(右)のマシン全 25 枚

日産自動車のレーシングワークスであり、モータースポーツブランドでもあるNISMO(ニスモ)ブランドが2024年9月17日に誕生40周年を迎え、神奈川県横浜市の日産のグローバル本社ギャラリーにおいてレセプション&パーティが開催された。

◆NISMOの誕生と歴史

ニッサンR91CP 1992年デイトナ24時間レース総合優勝車。ドライバーは長谷見昌弘/星野一義/鈴木利男ニッサンR91CP 1992年デイトナ24時間レース総合優勝車。ドライバーは長谷見昌弘/星野一義/鈴木利男

NISMOは1984年に設立されたニッサン・モータースポーツ・インターナショナルという企業の愛称がそのはじまり。ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの前身となるのが大森ワークスと呼ばれたレーシングチームで、東京の大森を本拠地としていた。

ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルの初代社長は難波靖治氏(2013年没)。難波氏は日産自動車の社員ドライバーとして1958年のオーストラリア・モービルガス・トライアルにダットサン210で出場。クラス優勝を果たしている。

創立翌年となる1985年には富士スピードウェイで開催された世界耐久選手権レース日本大会(WEC JAPAN)でシルビアターボCが総合優勝。香港・北京ラリーで240RSがチーム優勝、全日本ラリーCクラスでフェアレディZがシリーズチャンピオンを獲得するなど発足当初から輝かしい成績を残している。

その後もルマン24時間レースへの参戦をはじめとして、国内外の数多くのモータースポーツイベントに積極的に参戦するとともに、ワンメイクレースやN1耐久(現在のスーパー耐久)などのアマチュアレースへの支援も数多く行ってきた。

ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルは2022年にオーテックジャパンと合併し、日産モータースポーツ&カスタマイズという会社となるが、NISMOブランドは継続されている。現在はフォーミュラE、スーパーGTへの参戦をはじめとして、スーパー耐久への支援などモータースポーツ活動はもちろん、設立当初より手がけているチューニングパーツ、ドレスアップパーツやコンプリートカーの開発なども積極的に行っている。

◆豊田章男氏もスピーチしたレセプション

日産自動車代表執行役社長兼最高経営責任者・内田誠氏日産自動車代表執行役社長兼最高経営責任者・内田誠氏

オープニングの挨拶を行った日産自動車の代表執行役社長兼最高経営責任者の内田誠氏は「日産は創業当初から、ほかがやらないことをやるという精神でモータースポーツに挑戦してきました。2024年のワークス活動では柱のひとつであるフォーミュラEのレースが、日本で初めて開催されました。日産のファン、パートナーの皆様、従業員が一丸となり会場を盛り上げていたのがとても印象的でした。ロンドンの最終戦ではラウンド優勝も果たすこともできました。来シーズンからは日産の電動化技術が本格的に入り、さらに進化を遂げる予定ですので、ぜひご期待下さい。もうひとつの柱であるスーパーGTは毎回勝者が入れ替わる熱戦が続いております。これから終盤戦に入りますが長年培われてきたNISMOのチーム力とファンの皆様の声援を糧にチャンピオンに向けて調整して参ります」と語った。

STMO(スーパー耐久未来機構)理事長を務める豊田章男トヨタ自動車の会長STMO(スーパー耐久未来機構)理事長を務める豊田章男トヨタ自動車の会長

続いて壇上に現れたのはトヨタ自動車会長の豊田章男氏であった。豊田氏は「今ご紹介ありましたようにSTMO(スーパー耐久未来機構)の理事長をやっております豊田章男でございます。じつは招待状はトヨタ自動車の会長にはきておりません。STMOの理事長としての招待であります。スーパー耐久というものはN1耐久のときからNISMOさん、日産さんに支えられてきたと言っても過言ではないと思っております。NISMOは当初からR32スカイラインGT-Rをプライベーター向けに供給しサポートしてきました。今はGRやSTI、マツダスピリットレーシング、HRCがありますが、そうした流れを作ってこられたのがNISMOさんと日産さんだったのです。ぜひとも30年遅れではありますが、みんなで一緒に自動車業界を盛り上げていきたいというふうに思っておりますので、皆さんからもご支援よろしくお願いをしたいと思います」と語った。

左から日産モータースポーツ&カスタマイズの田中利和氏、同・木賀新一氏、同・片桐隆夫氏、STMO(スーパー耐久未来機構)として招かれた豊田章男トヨタ自動車会長左から日産モータースポーツ&カスタマイズの田中利和氏、同・木賀新一氏、同・片桐隆夫氏、STMO(スーパー耐久未来機構)として招かれた豊田章男トヨタ自動車会長

その後、日産モータースポーツ&カスタマイズの代表取締役社長兼最高経営責任者・片桐隆夫氏が登壇。ニスモブランドの歴史を紹介するとともに、アリアNISMOの欧州市場への投入、北米地域や中東地域においてさらなるNISMOラインアップを拡大しグローバル展開を広げていくことを発表。レース活動についてはフォーミュラEを新たな車両レギュレーションであるGEN3 EVOに対応させること、スーパーGT500クラスでは今年度からマシンをニッサンZからニッサンZ NISMO GT500に進化させて参戦、日産系4チーム一丸となって必ずやチャンピオンを奪還するという力強い発言がなされました。

トークショーを担当したドライバーとエンジニアトークショーを担当したドライバーとエンジニア

3名のスピーチが終わったあとには、レジェンドドライバーである長谷見昌弘氏、星野一義氏、近藤真彦氏、現役ドライバーの千代勝正選手と高星明誠選手、フォーミュラEの西川直志チーフパワートレインエンジニア6名によるトークショーを開催。懐かしいエピソードから、現在のレースシーンの話まで貴重なトークが続いた。

この40周年の節目に、日産グローバル本社ギャラリーではNISMO40周年記念特別展を10月15日まで開催。日産モータースポーツ&カスタマイズではNISMOブランド40周年記念パーツを開発し発売中。また12月1日には40周年をテーマとした「NISMO Festival at Fuji Speedway 2024」を富士スピードウェイで開催予定と、今年のNISMOはなにかと注目度にあふれている。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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