ボッシュは25日、バイクの安全性を向上させるための6つの新しいレーダーベースの先進安全運転支援システム(ARAS)を発表した。これらのシステムのうち5つは世界初の技術であり、ボッシュの事故研究によれば、ドイツの道路で発生するバイク事故のうち最大6分の1を防ぐことができるとされている。
ボッシュは2020年にもバイク市場に革新をもたらしており、今回の新機能はその延長線上にある。これらの新しいアシスタンス機能のうち4つは、欧州の大手バイクメーカーKTMの新モデルに2024年11月に初めて搭載され、2025年に生産が開始される予定である。
ボッシュの二輪車およびパワースポーツ部門の責任者であるジェフ・リアーシュ氏は、「ボッシュの目標は、革新的な新技術を用いてバイクの安全性と快適性を向上させることだ。KTMとの協力により、この目標にまた一歩近づくことができた」と述べている。

新しいアシスタンス機能には、前方レーダーを使用する「アダプティブクルーズコントロール(ACC S&G)」が含まれている。この機能は、全車追従型クルーズコントロールに「ストップ&ゴー機能」を追加したもので、完全停止まで対応。また、「グループライドアシスト(GRA)」は、グループでのツーリングでの走行時に適切な車間距離を保つための機能である。
さらに、「ライディングディスタンスアシスト(RDA)」は、常に前方車両との適切な距離を保つことで追突事故を防ぐ。「緊急ブレーキアシスト(EBA)」は、衝突のリスクがある場合にブレーキ圧を自動的に増加させる機能だ。
「リアディスタンス警告(RDW)」と「リアコリジョン警告(RCW)」も新たに追加され、後方から接近する車両に対する警告を表示し、追突事故を防ぐための機能が強化された。
これらの新機能は、ボッシュのレーダーベースのアシスタンスシステムの世界的なポートフォリオを補完し、バイクの「感覚の世界」を拡大するものである。安全性だけでなく、快適性とライディングの楽しさも追求したこれらの技術は、バイクの新しい時代を切り開くことが期待される。