衛星データ解析システムの開発を手がけるスペースシフトは10月1日、トヨタ自動車と、衛星データや車両データを活用した事業の検討を開始し、覚書を締結した、と発表した。
近年、台風や集中豪雨などによる被害が増加しており、災害対策は政府や自治体、企業にとって重要な課題となっている。荒天時でも地球上の対象物を観測可能な合成開口レーダー(SAR)衛星の利用は、災害状況の把握に必要不可欠な要素となっている。スペースシフトは、衛星データ解析のAIアルゴリズムを独自開発しており、豪雨などにより発生した洪水の範囲や深さをSAR衛星データから自動的に推定する技術を提供している。
一方、現在のSAR衛星の機数やデータのみでは撮像頻度等に制約があるため、地上のデータと組み合わせることで、より高精度な解析が可能となる。スペースシフトは、トヨタ自動車と連携し、同社が保有する車両のプローブ情報と衛星データの解析結果を組み合わせた技術開発を行っている。トヨタ自動車のプローブ情報は、コネクティッドサービスを利用している車から収集されており、収集したデータを統計処理し、社会課題の解決に活用している。