中村史郎氏がデザインに参画、新型EV『LSR-05』発表…パリモーターショー2024

THKの新型EVのプロトタイプ『LSR-05』
THKの新型EVのプロトタイプ『LSR-05』全 10 枚

日本の技術企業のTHKは、パリモーターショー2024において、新型EVのプロトタイプ『LSR-05』を初公開した。

THKは1971年に東京で設立され、当初は直線運動技術で名を馳せた企業だ。その後、工作機械産業や世界中の自動車メーカーに部品を供給する企業へと成長し、現在では37の工場を持つ。欧州にも製造拠点を持ち、フランスのアンシスハイムに工場を構えている。

LSR-05は、実現可能性の高いプロトタイプ車両として開発され、THKの重要な技術を多数搭載している。ステルスシートスライドシステム、四輪操舵システムを備えたインホイールモーター、アクティブサスペンション、非接触充電システムなどが採用されている。

車両開発には世界的なデザインハウスであるSN DESIGN PLATFORMが携わった。車名が示す通り、Luxury(高級)、Sportiness(スポーティ)、Revolution(革新)をコンセプトに、ダイナミックでエレガントな外観を持つ4人乗りクロスオーバークーペとして設計された。全長4995mm、全幅1965mm、全高1530mmのボディサイズを誇る。

SN DESIGN PLATFORMを率いる中村史郎CEOは「LSR-05は日本の革新性と精密さを体現している。特に、THKが開発したステルスシートスライドシステムを使用したユニークなシート配置により、スマートなパッケージングで広々とした快適な室内を実現した」とコメントしている。

LSR-05は、THKの93kW(800V)可変磁束インホイールモーターを後輪に2基、220kW(800V)電動モーターをフロントに搭載し、四輪操舵システムの一部を形成するプラットフォームを採用している。これにアクティブサスペンション、MR流体アクティブダンパー、電動ブレーキなどの機能を組み合わせることで、卓越した乗り心地と操縦安定性を実現している。

さらに、キャビンにはステルスシートスライドシステムを装備し、フラットな床面を確保することで高級感と快適性を両立した室内空間を創出している。また、非接触充電システムも搭載した。

THKが開発した可変磁束インホイールモーター「enemo」は、左右の車輪を独立して駆動することで信頼性を高めている。さらに、高剛性のボールねじ/スプラインを利用した可変磁束システムにより、高トルクと高速回転の両立を可能にしている。また、THK Rガイドを後輪操舵に採用することで、大きな操舵角を持つ四輪操舵を実現し、理想的な走行ラインの実現に貢献している。

《森脇稔》

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