自走する大出力電源! ベルエナジーが「MESTA Gen」のデモを公開…建設現場やイベントでの活用見込む

ベルエナジーのゼロエミッション電源車「MESTA Gen」から取り出した電力で、溶接ロボットを動かすデモ
ベルエナジーのゼロエミッション電源車「MESTA Gen」から取り出した電力で、溶接ロボットを動かすデモ全 15 枚

ベルエナジーは、EV(電気自動車)の駆動用バッテリーから直接電力を取り出して、これまでなし得なかった50kWhの大電力の出力を可能にした「MESTA Gen」を発表。建設現場で用いる技術デモが10月8日に清水建設の施設で開催された。


リーフe+から大容量の出力が可能に

「電気の宅配便」と呼ばれるEV充電のサービスを展開するベルエナジー。同社が新たに開発したのが完全ゼロエミッション電源車「MESTA Gen」だ。これはEV(『リーフ e+』)の駆動用バッテリーを利用して電力を取り出し建設現場などでも使用に耐える大容量の電源車として利用することを目指したシステムだ。そんな「MESTA Gen」のお披露目を兼ねて技術デモが清水建設の温故知新の森NOVAREで実施された。実際にリーフe+に搭載された「MESTA Gen」を使って鉄骨溶接ロボット・Robo-Welderに電源を供給して実際に鉄骨を溶接するデモを行った。

まずは「MESTA Gen」の仕組みを紹介しよう。リーフe+に搭載されている駆動用バッテリーは62kWhの容量を備える。これを利用して電源車として活用することを目的としたのがこのシステムだ。ただし従来もEVから電力を取り出すことはできた。例えばV2H(ビークル・トゥ・ホーム)もそのひとつだ。しかし規格によって10kWの電力が上限値と定められているため産業用に用いるとなると容量が十分ではない。そこでベルエナジーでは駆動用バッテリーから直接電力を取り出すシステムをリーフe+を改造することで設置。さらに大容量のDC-ACインバーターを車内に設置して、50kWh(三相交流/200V)という大電力を取り出すことに成功したのだ(単相交流100V・200Vの取り出しも可能)。

「MESTA Gen」が設置されたリーフe+の車内を見ると、後席を撤去したスペースにぴったりなサイズの長方形のユニットが強固なフレームを介してフロアに設置されているのが見える。このユニットに中にDC-ACインバータや制御システムなどが入っている。そこからは出力用の配線が伸び、リアゲートから配線を車外に伸ばして機器へと配線されてる利用状況だった。

実用性高く、排ガスや騒音もゼロ

「MESTA Gen」のメリットはクルマそのものが電源となるためディーゼル発電機や定置型蓄電池などを現場へ移動~設置することなく、自走して電源が必要な場所に移動することができる点だ。またEVに対する充電環境が整っているので充電が容易なことも使いやすさのポイントとなった。さらに普段はクルマ(後席はインバーターが設置されるので前席のみ乗車可能な仕様)として実用できる点も大きなメリットだろう(もちろん「MESTA Gen」を搭載した状態で構造変更を受けた上で車検もパスしている)。

一方で使用する建設現場にとっては、従来電源として用いていたディーゼル発電機などを使う場合には排ガスや騒音の問題が出るが、「MESTA Gen」は排ガスゼロで騒音も出ない。排ガスが出ないためトンネル内などの閉鎖空間でも利用でき、騒音が問題になるエリアでも積極的に利用できるのも「MESTA Gen」の特徴となっている。

「MESTA Gen」の電力で鉄骨溶接ロボットを稼働

当日取材陣に公開された技術デモでは、リーフe+に設置された「MESTA Gen」から出力した電力を使って鉄骨溶接ロボットである「Robo-Welder」を稼動させ実際に鉄骨を溶接していく一部始終が公開された。リアルタイムの消費電力を示すディスプレイやリーフe+の電力消費を表示するディスプレイも設置され、溶接ロボットの稼働でどのように電力が消費されていくかも逐一参加者に見えるデモだった。


《土田康弘》

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