ロボタクシーと次世代モビリティの未来、技術・コスト・ビジネスモデル…スズキマンジ事務所 代表・デンソーCX 鈴木万治氏[インタビュー]

ロボタクシーと次世代モビリティの未来‐技術、コスト、ビジネスモデル‐スズキマンジ事務所 代表(デンソーCX)鈴木万治氏[インタビュー]
ロボタクシーと次世代モビリティの未来‐技術、コスト、ビジネスモデル‐スズキマンジ事務所 代表(デンソーCX)鈴木万治氏[インタビュー]全 5 枚

来たる12月20日、オンラインセミナー「【独り大喜利】どうなる⁉2025年の自動車業界~電動化戦略により明暗くっきり~」が開催される。セミナーに登壇するのは、スズキマンジ事務所 代表で、株式会社デンソー 技術企画部 CXの鈴木万治氏。

今回のセミナーは以下のテーマで進められる。

1.ファクトでふりかえる2024年の自動車業界
2.電動化への移行シナリオと企業戦略
3.2025年の注目トピック(自動運転・小型モビリティ)
4.2025年の自動車業界動向予測
5.質疑応答

セミナーの見どころを鈴木氏に聞いた。


ロボタクシーのイネイブラーとは何か

2024年の自動車産業における主なトピックスについて、スズキマンジ事務所 代表で、株式会社デンソー 技術企画部 CXの鈴木万治氏に話を聞いた。注目すべきテーマとして、鈴木氏はまずロボタクシーを挙げる。

「ロボタクシーの普及について、多くの皆さんが、技術が成熟しているかどうかに注目します。それはもちろん重要なことですが、それ以上に、何がロボタクシーのイネイブラーなのか、具体的には『有人タクシーよりも安くなるかどうか』という点が本質的な課題であることが見過ごされがちです」と指摘する。

その点で、大規模な商用サービスが開始されている中国の事例を挙げる。中国では、ロボタクシーの運賃が、有人タクシーのおよそ4割引になっているケースもあるという。その結果、「タクシー運転手が割を食い、雇用問題に発展している状況にある」と指摘した。

それを実現しているのが、中国のロボタクシー用車両の価格だ。「車両価格が500万円程度でサービスを実現できています。多くの市販EVと同程度の価格ながら、LiDARなどの高機能なセンサーが搭載されています」とし、車両が低コストであることがビジネスモデルを成り立たせていることを示唆する。

いっぽう鈴木氏は「他国ではロボタクシー用の車両価格が高く、中国と同じようなビジネスモデルが成立しないため、サービスの拡大には限界があるだろう」と分析する。「ロボタクシーの実用化に向けては、まだ残る技術的課題に加え、ビジネスモデルの成立が今後の大きなカギになる」と強調した。

軽自動車よりも小さなモビリティ

もうひとつ注目すべきテーマとして、鈴木氏が挙げたのが小型電動モビリティだ。鈴木氏は、小型電動モビリティが「特に地方のような1人1台の車が不可欠な環境において大きな役割を果たす可能性がある」と指摘する。

「地方ではガソリンスタンドまで片道30kmもあることもあり、家で充電できる小型EVがそのような需要にマッチする可能性があります。二人乗りで、最高時速50km程度の小型車で十分だと思います」とし、高速道路を使わない日常の移動手段としての実用性に言及した。

鈴木氏はこれを裏付けるデータを提示する。「1日あたりの移動距離の平均は30マイル(約48km)程度、乗車人数も平均1.4人程度であるという調査データがあります。しかもこの数字は20年ほど変化していません。このことを考えると、2人乗りの小型モビリティの合理性が理解できると思います」


《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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