ヤマハ、「EVのF1」フォーミュラE初参戦へ「できる限り早く表彰台に」 12月7日開幕

ヤマハ発動機がローラ/ABTとのタッグで「エネルギーマネジメント技術」の進化を目指す
ヤマハ発動機がローラ/ABTとのタッグで「エネルギーマネジメント技術」の進化を目指す全 3 枚

3月に「EVのF1」とも言われるフォーミュラE(FIAフォーミュラE世界選手権)への参戦を発表したヤマハ発動機。初年度となるシーズンがいよいよ12月7日、ブラジル・サンパウロで開幕する。英国の老舗レーシングカー開発会社ローラカーズ社と立ち上げた「ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム」として初陣を飾る。

フォーミュラEに初参戦するローラ・ヤマハABT

ヤマハは26日、初戦に向けたチームの意気込みを発表した。

ヤマハは電動パワートレインのマニュファクチャラーとして、モーターとインバーター、そしてギアボックスのパッケージの開発を担い、同チームに供給する。フォーミュラEでは、全チームに同一のシャシー(車体)とタイヤの使用が義務付けられているため、パワートレインの性能や制御はチャンピオンシップにおいてもとりわけ大きなポイントの一つとなる。

フォーミュラE開発グループリーダーの梅田泰宜さんは、「イギリスの名門ローラと、F1やMotoGPなど世界の頂点で戦ってきた日本のヤマハ、そしてフォーミュラEでの豊富な経験を持つドイツのABT(アプト)というタッグに、ある種の敬意と注目をいただいているという印象です。周囲からの期待に、あらためて身が引き締まる思いです」と話す。

プロジェクトを統括する原隆さん(左)と開発グループリーダーの梅田泰宜さん(右)プロジェクトを統括する原隆さん(左)と開発グループリーダーの梅田泰宜さん(右)

参戦のねらいについて、プロジェクトを統括するAM開発統括部長の原隆さんは、「フォーミュラEは、極めて厳しく繊細で、かつ高次元の世界です。厳格な各種制限の中で開発のスピード感も求められるこのチャレンジは、当社が目指す2050年カーボンニュートラルの実現に向けたブースターにもなるだろうと考えています。“なぜヤマハが四輪のレースに?”と尋ねられることも多いのですが、それこそが私たちが参戦する目的であり、モチベーションにもなっています」と語る。

この「厳格な制限」にはバッテリー容量にも見て取れる。F1やMotoGPではレース中は常にほぼフルパワーで戦うのに対し、フォーミュラEに搭載されるバッテリーはおよそ半分のエネルギーに制限される。「『1』のレースを『0.5』のエネルギーで賄わなくては完走さえできないということ」とヤマハは説明する。エネルギー制御の密度は走行距離でいえば「メートル単位」での制御だとか。原さんは、「だからこそ、エネルギーマネジメントの技術が勝負どころ。私たちの会社にとって高めていきたい技術領域の一つです」と話す。

フォーミュラEに参戦するローラ・ヤマハABT。チームは「まさにOne Teamといった雰囲気」と梅田さんフォーミュラEに参戦するローラ・ヤマハABT。チームは「まさにOne Teamといった雰囲気」と梅田さん

開幕に先立ちスペインで行われたプレシーズンテストでは、ゼイン・マロニー選手が22台中13番手のタイムを記録。梅田さんは、「手応えも感じている」としながらも、「先行するライバルたちの本当の力は開幕戦までわかりません。私たちはシーズンを通して進化と成長を続け、できる限り早く表彰台を狙える位置まで進んでいきたい」と展望を語った。

フォーミュラE 2025年シーズンは、12月7日に開幕するブラジル・サンパウロを皮切りに、2025年7月のイギリス・ロンドンまで17戦がおこなわれる。2024年シーズンに続き、2025年5月17日の第9戦、18日の第10戦は日本での「東京E-Prix」開催となる。

《レスポンス編集部》

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