「3000GT誕生」初代トヨタ『スープラ』とセリカ、ソアラとの意外な関係性【懐かしのカーカタログ】

トヨタ・スープラ(初代=日本)当時のカタログ
トヨタ・スープラ(初代=日本)当時のカタログ全 9 枚

国内ではそれまで2世代に渡り『セリカXX』を名乗っていたが、このA60系から輸出仕様と同じ『スープラ』の名が初めて与えられた。登場は1986年2月のこと。CMでは『トヨタ2000GT』を引き合いに「TOYOTA 3000GT誕生」と謳った。

ちなみに車名変更の背景には「私をスキーに……」のあの4気筒系『セリカ』がFWD化されたことがあった。このスープラは1986年1月に登場した2代目『ソアラ』と並行して開発され、サスペンション、エンジンといったメカニズムを共通のものとした。

トヨタ・スープラ(初代=日本)当時のカタログトヨタ・スープラ(初代=日本)当時のカタログ

サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーンとし、電子制御サスペンションのTEMSも設定。ホイールベースはソアラより75mm短い2595mmに設定された。

2代目のセリカXX同様にリトラクタブルヘッドライトを採用した外観スタイルは、1310mmの低全高の流麗なもので、1986年6月には脱着式ルーフのエアロトップ(写真のカタログはこの時のもの)を追加。さらに1987年には1745mmのワイドボディも設定された。

トヨタ・スープラ(初代=日本)当時のカタログトヨタ・スープラ(初代=日本)当時のカタログ

搭載エンジンはすべて直列6気筒とし、フラッグシップの3.0GTターボには7M-GTEU型(ネット230ps/33.0kgm)を搭載。ほかに2リットルの1G系を3機種設定し、そのトップに置かれたのがネット185ps/24.5kgmの性能を発揮した1G-GTEU型で、GTツインターボに搭載。

大型蛍光表示管を用いたパノラミック・デジタルメーター、電動ランバー&サイドサポート機構付き8ウェイスポーツシート、オートドライブなど、設定された装備、機能も充実した内容だった。

トヨタ・スープラ(初代=日本)当時のカタログトヨタ・スープラ(初代=日本)当時のカタログ

カタログを見返すと、“LASRE α”“PEGASUS”など、当時エンジン、サスペンションに与えられたニックネームが懐かしい。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 航続262kmの新型電動バイクが約10万円から、ビンファストが2モデル発表
  2. ジェイソン・ステイサムが『トランスポーター』つながりで魅力をアピール!? VWが新型カーゴバンをメキシコで発表
  3. 歴代最強? 新型ポルシェ『カイエン』はこうなる! 最上級グレードは1000馬力超え
  4. トヨタ『カローラ』米2026年モデル、新デジタルメーター搭載で今秋発売へ
  5. 軽キャンピングカー最大級の空間、ダイハツ『アトレー』ベースで363万9000円から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る