最新モデルのデジタルキー機能を探る…トヨタのデジタルキーはSMSでシェア可能

クラウン クロスオーバー Z デジタルキーオプション装着車
クラウン クロスオーバー Z デジタルキーオプション装着車全 10 枚

最新モデルのデジタルキーにはどんな機能があるのか。トヨタを例に調査したので報告したい。

対象車種となったのは、『クラウンクロスオーバー』の中間グレード「Z」に、メーカーオプションのデジタルキー(3万3000円・税込)を装備した車両。

トヨタの最新モデルに対応するスマートフォンアプリは2つある。ひとつは「My TOYOTA+」で、車両の状態を確認したり、エアコンを遠隔操作(月額220円の追加機能)するなどの機能を持つ。

My TOYOTA+アプリ トップメニューMy TOYOTA+アプリ トップメニュー

もうひとつは「デジタルキー」で、こちらはスマートフォンをキーとして使えるアプリだ。それぞれ詳しく見ていこう。

◆車の遠隔操作やデータを確認できる My TOYOTA+

My TOYOTA+ アプリをダウンロードし、TOYOTAアカウントでログインすると、以下のような機能を使えるようになる。

・航続可能距離やガソリン残量の確認
・ドアや窓、ランプなど車両状態の確認と操作
・エンジンやエアコンの始動通知
・車両の位置の確認
・スマートフォンで検索したルートを車両のナビと同期
・走行距離や走行日、燃費などのログデータ
・アクセルやブレーキから運転を点数化するドライブ診断

このなかで、特に高級車に乗っているユーザーには不可欠になりそうなのが、エンジンの始動通知や車両位置を確認できる機能だろう。

また、出かける前にアプリでルートを検索し、それを車両のナビと同期できる機能も日常的に役立つ機能だ。

さらに、有料の追加オプションには便利な機能が用意されている。

・エアコンの遠隔操作(月額220円・税込)
・オペレーターサービス(月額330円・税込)
・車内Wi-Fi(月額1100円・税込)

エアコンの遠隔操作は、特に夏や冬のピークの時期には欲しくなる機能だ。炎天下に駐車しておいたクルマに乗り込む前に、エアコンの設定温度や稼働時間を設定すれば、車内を冷やしておいてくれる。この時期は特にうれしい機能だろう。

My TOYOTA+ アプリで利用できるエアコンの遠隔操作機能は月額220円のオプションMy TOYOTA+ アプリで利用できるエアコンの遠隔操作機能は月額220円のオプション

エアコンのほかにもデフロスターやデフォガー、シートヒーターやシートベンチレーション、ステアリングヒーターも連動して起動させることができる。

オペレーターサービスは、AI対話ではなく有人のサービスで、24時間オペレーターが対応してくれるものだ。走行中に目的地を対話で相談し、車両のナビに目的地を設定したり、いま空いている病院を探してもらったり、車両のトラブル時には修理や移動を依頼することもできる。いざという時に助けになる機能だ。

車内Wi-Fiは、車内がWi-Fiスポットになる機能で、動画など大容量コンテンツを車内で快適に利用できるサービス。通信機器は最大5台まで接続可能で、容量は無制限* なので、通信量を気にすることなく利用できる。

* 直近3日間(当日は含まず)で6GB以上の通信をした場合、終日速度制限がかかることがある

ファミリーでドライブする時に、子供たちにタブレットで動画を見せたり、あるいは車内で仕事をするときにも役立つ機能だ。

◆シェアも可能なデジタルキー

デジタルキーは、スマートフォンを車のキーとして使うことができるアプリだ。メーカーオプション「デジタルキー」(3万3000円・税込)を装備した車両で利用することができる。

利用前には、TOYOTAアカウントとデジタルキー契約を連携し、アプリからTOYOTAアカウントでログインしたのち、実車での紐づけ作業が必要になる。

デジタルキーアプリ トップメニューデジタルキーアプリ トップメニュー

少々手順が多いが、これを済ませると、リアルな鍵を持っていなくても、スマートフォンを車の前で操作したり、かざしたりすることなく、車両に近づくだけでロックが解除され、そのまま乗り込んでクルマを始動し、発進することが可能だ。

またこのデジタルキーは、他の人とシェアをすることもできる。貸す側のアプリにQRコードを表示し、借りる側のアプリで読み取ると、デジタルキーを渡せるほか、SMSで貸す側から送信された認証コードを、借りる側のアプリで認証コードを入力すると、デジタルキーが有効になる。

デジタルキーを貸す側は、利用開始および終了日時や、権限の範囲(ドアロック・アンロック/車両の始動)を、利用シーンに応じて設定可能だ。

デジタルキーアプリの操作可能時間帯を設定可能デジタルキーアプリの操作可能時間帯を設定可能

日常のカーライフをデジタルキー(スマートフォン)で過ごしてみると、リアルなキーが意外と嵩張っていたことに気づくだろう。ポケットのなかでちょっとした存在感を感じていたものがなくなった、だけの話ではあるが、それが意外にもずいぶんと快適なのだ。

いまのクルマにはデジタルキーの機能がない、という方は、次のクルマを選ぶ際にぜひ検討してみてほしい。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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