2024年に発表された新型バイク、ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキの注目車は?

2024年に登場したホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの注目モデル
2024年に登場したホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの注目モデル全 35 枚

2024年も国内外から様々な話題の新型バイクや新技術が登場した。今回は国産4メーカーの中から、レスポンス読者からの注目度が高かった新型車をピックアップ。話題となったポイントや、その特徴を紹介する。

◆ホンダ

ホンダ CB1000ホーネット SPホンダ CB1000ホーネット SP

二輪界の絶対王者、ホンダからは2024年様々な新型車が登場。トピックとしては、マニュアル車(MT)でありながらクラッチ操作を必要とせずに変速できる「Eクラッチ」を搭載した『CB650R』と『CBR650R』の発表や、65年の歴史に幕を下ろした『スーパーカブ50』、人気のクラシックバイク『GB350』に追加された『GB350C』などが挙げられるが、最も読者の関心を集めたのは12月12日に国内発表された『CB1000ホーネット』だった。

CB1000ホーネットは、ツインスパーフレームに、スーパースポーツモデルの2017年型「CBR1000RR」のエンジンをベースに専用のセッティングを施した水冷DOHC直列4気筒999ccエンジンを搭載。走りを楽しむためのパフォーマンスと上質感のあるスタイリングをあわせ持つストリートファイタースタイルのロードスポーツモデルとして開発。

CBR1000RRのものをベースとしたエンジンは、新開発のダイキャスト製ピストンを採用するとともに、バルブタイミングおよびバルブリフト量を最適化。トランスミッションとファイナルギアレシオに専用セッティングを施し、低・中速域のトルク特性と出力特性を高いレベルでバランスを図った。

注目はその価格だ。134万2000円からと、最新装備を充実させた大型二輪としては「破格すぎる」などSNSでも賑わいを見せている。

◆ヤマハ

ヤマハ XSR900 GP(ホワイト)ヤマハ XSR900 GP(ホワイト)

ヤマハ発動機の2024年のトピックといえば、ホンダのEクラッチとほぼ時を同じくして登場した、クラッチ要らずのMT「Y-AMT」が挙げられる。こちらはホンダと違い、クラッチレバーもシフトペダルもなく、ハンドルのボタンのみでシフトチェンジができるのが大きな特徴。バイクの新たな楽しみ方を提案している。BMWやKTMも追随して、新たな潮流を産み出しそうだが、読者の注目を集めたのは80年代のレーシングマシンをオマージュした『XSR900GP』だ。

XSR900 GPは、水冷4ストロークDOHC直列3気筒888ccエンジンを搭載し、クロスプレーンコンセプトに基づいたCFアルミダイキャストフレームに収められている。新外装は80年代のYZR500を現代に昇華させたデザインで、エアロダイナミクスの向上にも貢献している。

アッパーカウルの上端部とフレームを繋ぐステーは丸パイプで構成アッパーカウルの上端部とフレームを繋ぐステーは丸パイプで構成

ライディングポジションはベースの『XSR900』から一新され、セパレートハンドルの採用やフットレストの位置調整により、スポーティな乗車感と快適性を両立。また、車体剛性のチューニングにより、旋回中の安定感を向上させるなど、ただの外観オマージュではなく最新のヤマハらしい走りの部分にも徹底的に手を入れた。価格は143万円。発売から1か月で、年間販売計画の1000台を達成したことも話題となった。

海外向けモデルでは、「ターボ機能」を搭載したスクーターの新型『NMAX』や新型『AERO ALPHA』が日本のファンも惹きつけていた。

◆スズキ

スズキの新型スーパーモト『DR-Z4SM』スズキの新型スーパーモト『DR-Z4SM』

2024年は「鈴鹿8耐」への復帰が大きな話題となったスズキ。バイオ由来燃料などのサステナブルアイテムを駆使しながら8位入賞という輝かしい成績を収めた一方で、オールニューの新型車は少ない一年だった。それでも、鮮やかなブルーを採用した『カタナ』は、ファンミーティングでサプライズ公開されるとSNSをはじめ注目を浴びた。そんな中、11月のミラノショーで初公開され、話題をさらったのが新型デュアルパーパスモデルの『DR-Z4S』とスーパーモトモデル『DR-Z4SM』だった。

これらの先祖となるモデルは、2000年に登場した『DR-Z400S』。グローバルな人気を博したが、排ガス規制などの影響で惜しまれつつも販売を終了していた国もある。新モデル「DR-Z4S/SM」は、あらゆる市場での適合、販売を見据え開発されたという。

398cc単気筒4バルブDOHCエンジンは、低回転数からスムーズで力強いパワーを発揮。最高出力は38ps、最大トルクは37Nm。新開発のフューエルインジェクションを採用し、エンジンが冷えているときでも始動を容易に。排気システムにはデュアルステージ触媒コンバーターを採用するなどによりユーロ5+に適応しているのがポイントだ。

スズキの新型デュアルパーパス『DR-Z4S』スズキの新型デュアルパーパス『DR-Z4S』

スタイリングは、シンプルかつ機能美が追求されたもので、オフロード競技車を思わせるフラットでシャープなデザインが基調となっている。単眼LEDヘッドライトやアルミ製アンダーカバーに本気を感じさせる。

2024年12月末現在、日本での発売に関する正式発表はないが、発表から1か月が過ぎた今もSNSなどでは待ち望む声であふれている。2025年の登場が期待できそうだ。

◆カワサキ

鈴鹿8耐でサプライズ走行をおこなったカワサキの「水素エンジンバイク」鈴鹿8耐でサプライズ走行をおこなったカワサキの「水素エンジンバイク」

カワサキの2024年オールニューモデルといえば、250ccクラスに投入された4台が話題だ。伝統の「W」ブランドを受け継ぐ新型モデル『W230』と、カワサキのルーツであり100年の歴史をもつメグロブランドの新規モデル『メグロS1』、そしてデュアルパーパスモデル『KLX230』と15年ぶりにその名が復活した『KLX230 SHERPA(KLX230シェルパ)』。いずれもアプローチは違えど、バイク入門者からベテランまで、幅広い間口にアピールするモデルとなっている

多くのファンがこの4台に注目しているが、読者の関心を最もさらったのは市販モデルではなく、「鈴鹿8耐」でサプライズ走行を披露した「水素エンジンバイク」だ。

鈴鹿8耐でサプライズ走行をおこなったカワサキの「水素エンジンバイク」鈴鹿8耐でサプライズ走行をおこなったカワサキの「水素エンジンバイク」

カワサキ『Ninja H2 SX』をベースに水素エンジンや水素タンクを搭載した車両で、ガソリンと同じように水素を燃焼して走ることができる。エンジンそのものの仕組みは既存のガソリンエンジンとほぼ同じで、部品なども基本部分は共通なことがメリット。走行中は排気ガスではなく水のみを排出することからクリーンなパワートレインとして注目されている水素エンジン。これをバイクに搭載することで、エンジン車ならではの鼓動感や高揚感をそのままに、カーボンニュートラルを実現するというのがカワサキのねらいだ。

今すぐ市販されるものではなく「2030年初頭までには」とされているが、エンジン車の高揚感をそのままにクリーンに走れる未来のバイクに、ファンの期待は高まっている。

◆海外勢は

BMWモトラッド『R 12 S』BMWモトラッド『R 12 S』

海外勢では、12月に発表されたBMWのレトロスポーツ『R 12 S』と、11月に発表されたトライアンフの新型ミドルアドベンチャー『タイガー・スポーツ660』が特に注目を集めた。

新型R 12 Sは、『R 12 nineT』をベースに開発された本格的なレトロスポーツバイクで、1970年に登場した「R 90 S」の魂を全体のコンセプトや細部にわたって受け継ぎ、現代に巧みに融合させている。「ルックスの良さは反則」などSNSでも大きな反響があった。

タイガー・スポーツ660はライバル車が数多い600ccセグメントでの競争力強化を目指したモデルで、ライダーにフォーカスした先進機能を多数搭載し進化。伝家の宝刀である3気筒エンジンと個性的なデザイン武器に、バイクファンにアピールする。大型輸入車ながら112万5000円からという価格も魅力となっている。

トライアンフ タイガー・スポーツ660トライアンフ タイガー・スポーツ660

《レスポンス編集部》

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